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関西一円も梅雨に入ったそうだ。だいたいこれまでの人生は、テレビのニュースかテレビよりうるさい母親が梅雨入りを教えてくれていた。今は母親もいないし、テレビも見ない。天気予報がわからなくていつも困る。 「梅雨、入ったらしいですね」 誰かは思い出せないが、そう伝えてくれた。ある部分が欠損したら、他の何かが補ってくれる。そういう意味では、うまく世界は回っているのかもしれないな。とにかく、いつかの誰かのセリフで梅雨の訪れがぼくにとって公式となった。 「無くて困るもの」は普段
「無題」というテーマで書こうと思う。なぜなら、これから書くことにはなんの新しい発見も有効な学びもないからだ。当たり前のことを、当たり前に書く。読了感としては「せやな」とかかな。目的や価値を希求しないことにも寛容になってほしいなと思って!まあ、そんなメッセージ性もないんだけれど。 夏が近づいている。確実に。淡々と。10年以上金融機関に勤続するサラリーマンのような着実さ。気温はともかく、湿度だ。自転車のペダルに足を乗せ力を入れると、肌をもったりとした風が撫でる。昼夜問わず、