カンボジアのPenh Lenhのこと。
先日、来日中のアメリカ人の知人から依頼があり、日本と京都の歴史&文化のレクチャーを行った。それに加えて彼女のリクエストで、「日本のスーパーマーケットツアー」も。たどたどしいレクチャーだったけれど、喜んでもらえたと願いたい。
1日レクチャーの間に、彼女とはいろいろな話をした。ライター・編集業という仕事を通じて「日本のエシカルな商品を海外に、海外のエシカルな商品を日本に紹介できたらいいな」と話したら、早速、彼女の知人がカンボジアで営んでいるアクセサリーブランド「Penh Lenh(ペン レン)」のことを教えてくれた。
「Penh Lenh」はクメール語で「whole(すべて)」という意味を持つブランド(その理由は後半で)。カンボジアで困難な状況にある若い女性たち(例えばDVや性犯罪の被害者の方)に教育や技術、仕事を与え、「エンパワーする(自分らしく生きる権利、勇気を与える)」プロジェクトだ。シンプルだけど個性的な手仕事のアクセサリーを手がけ多くのファンを獲得。売上の100%をプロジェクトに還元し、困難に苦しむ女性たちの雇用や教育、健康プログラムなどを推進しているそうだ。
創業は2013年。代表レイチェル・ドッドソンさんは(知人いわく、とてもチャーミングな方! 写真やInstagram、Tiktokからもそれがすごく良くわかる)、元はNYでモデルのエージェントの仕事をしていたそうだが、ファストファッション」が生む弊害や搾取に心を痛め(特に世界の女性が苦しんでいる低賃金、過重労働、有害な労働環境による搾取) 、一念発起してキャリアを転換。「エシカルファッションを通じて女性に力を与えるキャリアを追求したい」と訪れたカンボジアで、女性に教育の機会と自立した仕事を与える必要性を感じて起業したという。
知人曰く、TikTokもInstagramライブもいつも楽しそうなのだとか(HPでは働いている女性たちの姿もみれるが、彼女たちも生き生きとしているよう)。
(写真の左がレイチェルさん。右が共同オーナーの スレイ・マオさん。スレイさんはカンボジア生まれで元は美容サロンを経営されていた方)
起業に至る経緯は、公式ホームページの以下に詳しい。最近はDeepLの性能が高く、クオリティ高い和訳も簡単にできるのでぜひ。
https://www.penhlenh.com/about
https://www.penhlenh.com/origin
https://www.penhlenh.com/impact
https://www.penhlenh.com/process
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インタビューの中では、
☞ ペン・レンはカンボジアのいくつかのNGOと協力し、若い女性に雇用を提供しているだけでなく、コミュニティ支援プログラムも行っていて、職人たちとともに、私たちは歓楽街やスラム街で働く女性たちに、ケアパッケージや温かい食事、新しい衣服などを提供していることなども語られている。
☞ ジェエリー会社を立ち上げた理由は、ジュエリー作りがとても癒しになるから。ビーズを編むことは、トラウマや依存症から立ち直るための活動としてよく使わるという。「もちろん、少女たちが創造性を発揮し、自分の作ったものに価値を見出すことができるのは言うまでもありません。私たちの使命は、社会から疎外され、危機に瀕している若い女性たち(多くの場合、トラウマを抱えた女性たち)を支援することなので、癒しと回復をもたらす技術を扱うというアイデアが気に入りました。搾取や脆弱な雇用のリスクにさらされている社会から疎外された女性たちは、技術や職業を得ることでこうしたリスクから逃れることができるのです」(レイチェルさん)
☞ レイチェルさんが初めてカンボジアに来たとき、現地では性犯罪被害者のことを 「broken girl 」と呼ぶことを知ったという。これに心を痛めた彼女は、自分のビジネスとプログラムの名前を、この概念と闘うようなものにしたいと決意した。クメール語で 「ペン・レン 」は 「全体 」を意味する。つまり「壊れている」という語の反対語なのだ。「私たちは自分たちが全体であり、完全であり、何一つ欠けていないことを示したい。これは、ジュエリーを作り、身につける女性たちの強さと美しさを表していると私たちは信じています」(レイチェルさん)
☞ 売り上げはすべてプロジェクトに還元され、公正な賃金の支払い、健康と栄養に重点を置いた毎日の食事、医療補助プランへ投資されているという。また、職人の教育機会にも再投資しています。ジュエリー技術のトレーニングだけでなく、英語、専門技術、予算、健康・栄養、性教育、女性のエンパワーメントなど、さまざまなトピックを扱うコースを提供しているそう(誰かがペン・レンから作品を購入することは、職人たちの生活に直接投資すること)
素晴らしいプロジェクトで説明が長くなってしまったのですが、気になる方はまずは、Instagramやリンクツリーから、彼女たちのメディアをチェックしてみてほしい。