![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134999938/rectangle_large_type_2_ba87d2d704ab8e0a568e480fcd8137da.png?width=1200)
Photo by
ikara_zu
ゲームイラスト今昔に思うこと
先日、イラストレーターのいのまたむつみさんの訃報が届いた。鳥山明さんの訃報があって間もないというのに、これまたショックである。
前回の鳥山明さんの追悼手記(?)の中でゲームイラストに少し触れたのだが、いのまたむつみさんもまた、鳥山さんと同様にイラストレーションでドラクエに携わった方。いわゆるメディアミックス戦略というやつで、ゲームのドラクエのヒットを受けて企画された「小説ドラゴンクエスト」シリーズで、挿絵を担当されていた方である。小説が家にあり、当時読んだことを覚えている。
前回も書いたように、当時まだドット絵だったゲームにおいて、イラストレーターさんが描いたキャラクター達は、その世界観を膨らませるのに大きく貢献したように思う。決して多くはない数のイラストを基にして、キャラクター達が冒険や戦いに躍動する姿をよく想像したものだ。それはきっと、当時まだ子供だった自分の心の養分となり、想像力の根を張り巡らせることに繋がったように思う。
最近はゲーム自体の描写がとてもリアルになった為に、ゲームイラストや小説メディアミックスの挿絵などは、ほとんど見られなくなったように思う。これによりプレーヤーが想像できる余白が塗りつぶされてしまったことを残念に思うのは、私だけだろうか。全てを綿密に描き出す西洋の油絵と、余白を残す東洋の水墨画の違いのように、最終的には好みの世界だとは思うのだが、私自身は余白を楽しめる作品を愛したい。そして、表層的な巧拙よりも、そこに描かれる世界観を感じとりたい。
そんな事を考えさせられた、ドラクエにまつわる2人のイラストレーターの訃報なのであった。