漫画「鈴木先生」を全巻読んだよ

全く新しい学園教師モノ。

ってのは読んだ人全員思うやろうな。

教師なのに聖人君子じゃないし、もちろん「良い先生」なんだけど(主役が良い先生ではない教師モノなんて誰も読まんかwてか画がもつのかしら？)、知識と経験、理性と矜持でがんばって「良い先生」やってるよね。

いや教え子を贔屓するだけならまだしも、欲情するなんて…！そしてその苦悩をこんな赤裸々に描いた漫画ってこれまであったのかな？！(教師が生徒と事に及ぶセンセーショナルな漫画はあるけど、本作そこが本筋ではないからね)

教師であるというは一面に過ぎなくて、結局のところ人間で、好きも嫌いも「めんどくさっ」も「やべえええ」も「エッロ…！」も日々感じる成人男性なのよね。

世の中の大人が大人になったからって中身が自動的に大人になるわけじゃないのと同じで、鈴木先生は努力で先生やってるんよね。

っていう長い前置きはくちゃっと端に寄せといて。

主な感想は3つです。

その1 はよドラマ版も見たい

ドラマ、低視聴率ながらギャラクシー賞獲ったとかで話題になりましたね。良い作品なんだろうな。長谷川博己出てるってことは絶対面白いよな。そのうちなんとかして見よ。

(長谷川博己さん！好きです)

その2 知らぬ間にテーマ壮大になってた

知らぬ間に、てとこがミソ。げ◯みそ。←読んだ人にしかわからないネタ

鈴木先生は、壮大なテーマを扱ってる作品やと思うけど、気付いたら読者もそこまで一緒に走りきってるみたいな不思議な感覚やったな。

1話とかずっと給食の話でモメてたからね？！w

(とはいえそこは鈴木先生クオリティで全くほのぼのとかしてなくて、凄い熱量でカレーと酢豚で1話ずつ使って、それも前編後編分けて、劇画タッチで誰か泣いたり叫んだりしながらがっつりやってたけど。←鈴木先生の世界線、東京03か？てくらい、だいたい誰か泣き叫んでんな)

なのに、最終回はもう学校の枠にとどまらず大事件に巻き込まれてる。

それがね、大きな問題扱ってますよーって感じでもなく、気付いたら、なのよね。本当に。

気付いたら引き込まれ、巻き込まれてる。

(私は本とか漫画とか凄い読んでるわけじゃないけど、一つ言えるのは「読者を凄い力で引き込んでくる作品はまごうことなき良作」ってことです)

なんかね、読んでるうちにこちらも教育されて成長させられてるのか？

どんどん難しい問題を解かされてるみたいな。

あとどんどん台詞多くなるから。この漫画。

量の多さもだけど、複雑さもさることながらその内容の濃さ。めちゃ学ぶことある。

私たち読者は文字で見てるからまだ良いけど、鈴木先生とこの会話のラリーしてる中学生たち凄いな？！

ぼーっとして聞き逃したらやばいことなるよ？！このクラスの授業！！

後半とか、かまいたちの「もし謝ってこられてきてたとしたら、絶対に認められてたと思うか？」レベルの台詞が毎回出てくる。

(ちゃんと意味通ってるのでかまいたちとは違うけど笑)

とにかく、めちゃ壮大で、めちゃくちゃ勉強になって、それも気付かずに巻き込まれてるっていう凄い漫画です。

その3 麻美さん何者なん？

小川さん何者なん？は読んだ人全員思うと思うねん。

補足しとくと、小川さんは、クラスの男子だけでなく鈴木先生をも魅了するヒロイン。

美人で、真面目で聡明で、性格も良くて、中学生にしてはちょっと頭が固くて(そこもカワイイ)、いざというときには度胸もあって、普通の家庭で愛されて育ったのにミステリアス。魅力の塊。こんな子クラスにいたら気になって仕方ないと思う。(ドラマのキャストは、当時今より寡黙なイメージだった土屋太鳳ちゃん)

で、鈴木先生は小川さんを女性として見て淫夢見たり妄想したりするんやけど、それだけでなく、神格化して心の支えにしてるのよね。

只者じゃないよ小川さん。

ってのはみんな思う。

でもそれより！

鈴木先生の恋人の麻美さん！

この女(ひと)、やばくないですか？

この麻美さん、なんと…

霊感があって、人の考えてることや未来が少し見れるんやけど(えっただの学園モノでは？)(なにその設定？？？？)(でも嫌いじゃない)、

それで彼氏である鈴木先生の頭の中に入り込んで彼の邪な気持ちを知ってしまい、

そしてそんな鈴木先生のことを、丸ごと受け止めてるのよ。

何者？？？人生何周目？？？？

良いの？？そんな彼氏で？？？？

こんな良い作品にこんなこと言うの申し訳ないんやけど、

やっぱり作者が男性だから恋人役の女性キャラはこんな異常な包容力持ちなの？？？？

なんていうかね、素敵とか凄いとかじゃなく異常。

受け入れスキルが半端じゃないスーパー彼女。

もし自分の彼氏が鈴木先生で、「朝、全裸の小川さんが隣でおはよって言ってくる妄想」してるって知ったら正気でいられる自信ないし、「ソミ姫さまぁぁぁぁ」って絶叫して起床する彼氏を許せる自信ない(ソミは小川さんの名前ね)。

なのにそれを受け止め、そんな彼と真剣交際のすえ結婚する麻美さん……何者だよ……

いいのかそんなやつで…後悔しない？

まじ只者じゃない…(まぁ霊感がある時点で只者ではないけどもさ)

だから魔性の女・小川さんより麻美さんが気になる。彼女の心中が。ついでにあの美人なのかそうでもないのか微妙なルックスも含めて気になる。

よく考えたら変な人しかいないなこの漫画。

でもそれって、実は普通の人なんて1人としていない、実際の世の中と同じだなって思ったり。

いやぁ全巻読んでスッキリ！面白かった〜！ねるっ☆彡