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「おにぎりくらい」なんて握ってから言いやがれ


事件は今朝も早朝5時40分に発生した。


朝の何でもない会話だ。夫の出勤時間は異様に早い。6時30分には職場に到着しているらしい。朝食は軽く食べては行くけれども、8時にはお腹が空くと。


そこから彼の職場の人の話になった。


その人は渋滞を避けるために、早めに出勤している。家で朝食を取る時間がないのか、毎朝コンビニでコーヒーとパンを買い、職場で食べているらしい。


「毎日コンビニに寄ってたら、1ヶ月やったら結構いい金額になるよなー」なんて超小市民な慎ましやかな会話をしていたところ、夫は今日も失言という名の、ブログネタを提供してくれた。


夫は言った。
「そうやろ?毎日コンビニやとお金かかるやん。実家で親と暮らしてるんやって。それやったらおにぎりくらい…」

さあ、どんな言葉が続くのか?


私は
「それやったらおにぎりくらい握ってくればいいのに」という言葉がくると思ったのだ。しかし、つづきの言葉は


「おにぎりくらい
握ってもらえばいいのに




「そういうセリフは自分でおにぎり握ってから言ったほうがいいと思うよ」と秒で返した。



なんだよ「おにぎりくらい」て。


夫を庇うわけではないが、夫はとてつもなく優しい。家事も頼めば大抵のことはやってくれる。私は数年前まで遅出勤務をしていた時は、料理はできないけれど食事の後片付けや洗濯物の片付けをちゃんとしていた。




だけど、なんだよ「おにぎりくらい」て。


おにぎり握るためにはお米が必要なんだよ。夕食を食べ終えて、炊飯器に残ったご飯の量を見ながら「残りのご飯は冷凍して、明日の朝にご飯を炊こう」とか考えるんだよ。
おにぎりは塩でいいのか?ふりかけはあったかな?のりはあったかな?
ラップはあったかな?

自分のおにぎりを握ることは簡単だ。

だけど私は家族のおにぎりを握る時はいつも考える。姉弟で好きな味が違うから、梅と昆布で握り分けたり、姉は小さめ弟は大きめ、夫は特大。みんなが好きなごま油で風味をつけた時は崩れやすいからいつもよりしっかり握ったり。



「おにぎりくらい握ってもらえばいい」というセリフは、おにぎりを握ってから言いやがれ、と本気で思う。



もう一度夫を庇うわけではないが、夫は「弁当がなかったら、おにぎりだけでも作ってもらえたらありがたいよ」と言う人だ。

だけどこれからは、お弁当が作れなかった時は、自分でおにぎりを握ってもらおうと決心をした。




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