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「よし、パリへ行こう」そう決意するまでの長い道のり。

来月3月、パリへ行きます。
といっても、別に移住するわけでも留学するわけでもなく、ただの1週間の旅行です。

でも海外旅行をするのが、なんと12年ぶり。
パスポートはもちろん切れているので更新しなきゃだし、色々事情が変わっていたり忘れていたりでドキドキが止まりません。

てことで、3月15〜20日はパリにおりますので、もしパリにいらっしゃる方や「私も行きたい!」な方はお知らせください。
パリでお茶でもしませう。


さて。
今回パリへ行くにあたり、さまざまな葛藤がありました。
フリーランスだからこその迷い、高齢の両親や高齢の猫と暮らしていることからの迷い…など。

決して軽やかに「パリ行ってくる〜るんるん♪」ではなく、非常に泥臭い決断だったことを記録も込めて残しておこうと思います。

ちょっと長いけれど、良ければお付き合いください。

「パリ行きたいなあ」そう思いはじめたのは、いつ頃だったのだろう。

一度目は大学の卒業旅行で訪れ、二度目は33歳のときに一人旅で訪れた街、パリ。

まだ行ったことがない地が世界中にある中で「なぜパリにまた行きたいんだろう」と若干思いつつも、SNSで「パリに行った」人を見れば「いいなあ」と思い、友達から「パリに行った」と聞けば「いいなあ」と呟いていた。

別に移住するわけでもないしただ旅行するだけなのに。
「いいなあ」と呟きながら、気づけば10年ほどが経過した。


事態が動いたのは、昨年の秋ごろのこと。
鎌倉のおしゃれなカフェで、友達から「そうそう。わたし3月にパリ行ってくる〜」と言われた。

彼女とは以前「いつか一緒にパリ行きたいね」「パリのカフェでお茶なんかしちゃったりして!」なんて盛り上がったことがあった。

だから、彼女の「パリ行ってくる〜」を聞いた瞬間、私の中の「パリ行きたい熱」にぼっと火がついてしまった。

いいなあ。
本当にパリ行くんだ。
私も行きたい。
行っちゃおうかな。

でもなぁ…。


というのも、現代は爆裂円安時代。

ただでさえパリは物価高なのに、現在1ユーロが160円!高っ!
そういや「マクドナルドが2,000円」とかどこかで見たような…。

ふと、前回パリで行ったうどん屋さんのメニューを見てみたら、かけうどんが15ユーロ(2,400円:1€=¥160計算)、天ぷらうどんが25ユーロ(4,000円)。

日本なら鰻重食べれるやーん。

そんなのを見たら、フリーランスとして収入が安定していない身としては金銭的な不安が大きすぎる。もはや恐怖。

特にここのところ、ライターからカメラマンに転身してより一層不安定極まりないし、高齢猫2匹の医療費もかかりまくっていて、日本縦断でさえも中断してる始末。

なのに、海外なんて行けるのわけなくない…?


さらに猫たちの看病もある。

1匹は昨年末から糖尿病を発症してしまい、毎日朝晩インシュリン注射を打たなきゃいけない。
夜中に鳴きわめくので、なだめたり水を飲ませたり(ぬるま湯じゃないと飲まないわがままお猫様なのです)しなきゃいけない。

もう1匹は腎臓を患っており、3日に1回の点滴が必須。
毎日の飲み薬もある。

それを全部、高齢の両親に任せていく申し訳なさと心配と不安。

というのも、両親が1月末から連続でコロナに感染し、父はその後めまい症を発症して救急搬送までされた。

今は復活してはいるけれど、やはり高齢なことには変わりない。
本当に任せて大丈夫なのか…。


そういう諸々を考えると「お金がもう少し貯まったらにしよう」「猫が心配だから今はやめておこう」「親に任せるのは申し訳ない」とか思いはじめ、

さらには「ていうか、そもそも行く必要ある?」「パリ行ったことあるし、別に行かなくてよくない?」「行ったところで何か得になる?ならないよね?」などなど。

行かなくていい理由を一生懸命考えて「パリ行きたい熱」を消し去ろうとした。

がしかし、長年あたためてホカホカになった「パリ行きたい熱」はそう簡単に消滅せず「行きたい!」と「行かなくていい!」を1万回ぐらい行ったり来たりした結果「ええい!そんなに行きたいなら行ってしまえ!!」と、航空券の購入ボタンを渾身の力を込めて押した。
正直、心臓が口から出そうだった。


…とここまで悩んでも、行くのはたったの1週間!
長期留学するわけでも移住するわけでもない!なんだか大袈裟だなあ!!って感じなんだけど、私にはめちゃくちゃ覚悟と勇気が必要だった。

それでも決められたのは、自分の年齢と環境を考えたから。

いつかお金が貯まったら。
いつか猫の看病が終わったら。
いつか両親の介護が終わったら。

いつか、いつか、いつか。
今までそうやって後回しにしてきた。

でも、それっていつなんだろう?
1年後?3年後?5年後?10年後?

実際にその時が訪れたとして、私はパリを歩く元気があるのかな。
重い荷物を持って、飛行機を乗り継いで、遠い地まで行ける気力と体力があるのかな。
そもそも「パリ行きたい」って思えるのかな。

その時になって「ああ、もっと若い時に行っておけばよかった」「あのとき頑張れば行けたのになあ」そんな後悔はしたくないと思ったから。

勇気を振り絞って、航空券を買った。

今も「本当に行って大丈夫なのか」という不安はある。
だけど、自分の人生楽しみたいから行ってくる。
そして、たくさんの美しいものや世界に触れてきたいと思う。

またこのnoteでもパリでの日々を残せたらと思うので、よければのぞいてください。


トップの写真は、15年前に撮ったセーヌ川。
ずっとフィルムカメラを使っていたけど、この旅のためにはじめてデジカメを買った。

今と比べると画素がめちゃくちゃ悪いけど、たくさんの思い出が残っていて嬉しい。
今回もいっぱい撮って来よう。

いただいたサポートは猫たちの養育費に使わせていただきます。ありがとうございます。猫たちがいるから生きてます。