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履き古した靴を1,500円で買うという男性が玄関に乗り込んできた話

今日の午後のこと。
「ピンポーン」とインターホンが鳴った。

今日届くはずだった猫トイレの砂は午前中に届いていたので「まだ何かあったっけ」と思いながら、インターホンの画面を見ようと椅子から立ちあがったら、突然がらがらがら…とドアの開く音が聞こえた。
(我が家は古い一軒家なので引き戸です)

それと同時に「すみませーん」と男性の声。

え?と思いながら廊下に出ると、見知らぬ男性(推定30歳)が玄関の土間に立っていて「あ、こんにちは!!」と挨拶してきた。

お…おまえ!
何勝手に入って来とるんじゃー!

男性の元に早歩きで向かいつつ「猫がいるんで、とりあえず出て閉めてもらっていいですか?!」と言い放ち、男性には外に出てもらって、引き戸を10cmほど開けて隙間から会話することになった。


「わたし!東京の業者なんですけど!」と、男性は胸からかけたカードを見せてきた。
がしかし、そのカードには「なんとかかんとか証(忘れた)」と文字が書かれているだけで名前も写真も何もない。

不審でしかない。
いや写真があっても不審だけど。

男性「◯◯町のヤマナカっていうスーパー、お母さんご存知ですか?」

私「知らないです」

男性「あ、そうですかー。そこの駐車場で今度フリーマーケットを開催するんですね。だいたい広さは…ここからお隣の家ぐらいの広さで。テントを張って。それで、そのフリーマーケットに出品する商品を有志のみなさまから集めていて」

と言って、肩からかけた大きなビニールトートバッグみたいなのを開けると、中には大量の靴が。
そこからスニーカーを出して見せながら言った。

男性「お母さん、こういった履き古した靴ってお持ちじゃないでしょうか?もう捨てちゃうような靴、スニーカーでもサンダルでもなんでもいいんです。今でしたら1足1,500円で引き取ります」と。

もちろんある。
思いつくだけでも2足はある。
あるけどそんな得体の知れない話に乗るわけがない。ㅤ

私「あー、ちょうど先週断捨離しまくったので、何も残ってないですね」

男性「草履はどうですか?浴衣や着物の時に履く草履。こちらは2,000円です」

あるよ。
あるけど出さん。ㅤ

私「母が分かるかもしれませんが、今外出してて。ちょっと私じゃ分からんですわ」

男性「でしたら、お母さん。こういったネックレスなどが入っているからのケースはいかがですか?こちらも1,500円で引き取れますが」

と言い、パカっと開くネックレスが入ってそうな長細い青い箱(分かるかな。ベロアっぽい生地のやつ)を見せてきた。

あるね。
多分ある。
どこかにある。
でも、もうそろそろいいかね。

私「申し訳ないんだけど、私今日、留守番で来てるんですわ。だからちょっとこの家のことよく分かんなくて。ごめんなさいね。じゃ」

と嘘をついて、ほぼ無理やり扉を閉めた。
そしてそっと鍵を閉めた。


鍵を閉めてなかった私が悪いんだけど、いきなり入ってくるとかめっちゃ怖かったです。
結局、何も取られなかったし何もなかったから良かったけど、これから鍵はちゃんと閉めようと心に決めた。
ほんと、閉めた方がいい。絶対。


にしても。
本当に1,500円で靴を買ってくれたのかしら。
10足出したら15,000円?ほんとに?
その後どういうぼったくりに繋がったんだろう。というのが気になる。

誰か知ってる人いないかなあ。


そして最後に。

あなた「お母さん」言い過ぎだから。
私、お母さんじゃないから。

誰でも妙齢になったらお母さんになると思ったら大間違いなんやで。

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オカダトモコ 旅が好きなライター / カメラマン
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