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母の誕生日には鰻を食べに行く。

いつからか、母の誕生日にはうなぎを食べに行くことになっている。

多分、うなぎ好きな母に「誕生日だし、うなぎでも食べに行く?」と私が誘ったのが最初だったと思う。
友達が美味しいと言っていた和食屋さんのうなぎを、ふたりで食べに行った。

私はそんなに「うなぎ大好き!」ではないけど、たまには食べたい。
けど、友達とうなぎを食べに行くって、なかなかちょっとハードルが高い。

そこで「お母さん、一緒に行かない?ご馳走するし」となったのが最初だったような気がする。


名古屋は「ひつまぶし」が名物なので、うなぎのお店が多い。
一番有名なのは多分「あつた蓬莱軒」。
ほかには「しら河」も有名かな。

毎年、うなぎのお店を見つけて来ては「今年はここどうかな」と提案したり、母から「テレビで美味しそうな店を見た」と提案されたりしてお店を決める。

ちなみに昨年は「うな豊」さん。
私ははじめて「白焼」に挑戦。

さっぱりしてとても美味しかったのだけど小骨が喉に刺さり、後日、耳鼻咽喉科で抜いてもらうことに。
「うなぎの骨ってよく刺さるんですよ〜」と看護師さんに笑顔で言われた思い出。

あんな小さい骨のくせにめっちゃ痛いし、放っておいたら膿んだりすることもあるらしいので(恐怖)、もし刺さったら素直に病院へ行きましょう。


そして今年も母の誕生日がやってきたので、うなぎを食べに行った。
今年選ばれたのは「うな富士 白壁別邸」。

2年前、同じ「うな富士」の名古屋駅店に行き、人生ではじめて「うな重」を食べた母が「あれをもう一度食べたい」と言うので、せっかくなら雰囲気が良さそうな白壁別邸に行ってみようと予約をした。


お店は住宅街の中。
目の前の駐車場に車を停めて、のれんをくぐる。

のれんの奥で受付をしている女性の店員さんに名前を伝えて「少し早く着いたのですが」と言うと「もうご案内できますので、どうぞお入りください」と言っていただき、そのまま中へ。

この「白壁別邸」は古民家を利用していて、お庭もとても美しい。
池には豪華な鯉がたくさん泳いでいた。

(金色の鯉を見るといまだに「華麗なる一族」を思い出してしまう)

母は足が少し悪いので、正座ができない。
なので予約の際に「テーブル席でお願いします」と伝えておいたら、入口近くの席に案内され「足は大丈夫ですか?」「段差大丈夫ですか?」と気遣いの言葉をいただいた。なんて優しい…。

案内いただいた席は、お庭がよく見える席だったので、母が「お庭が見えていいわねえ」と喜んでいた。よかった。

さて、メニューを開き、何を注文するかふたりで考える。

「うな重を食べる」という目的で来たはずなのだけど、ひつまぶしにも目移りして二人でしばし悩む。

「私はうな重にするわ」
「どうしよう。ひつまぶしにしようかな」
「えーじゃあ私もひつまぶしにしようかなあ」
「でもせっかく来たんだからやっぱり…」と二転三転した結果、うな重に決定。

うな重は「上うな重」で5,170円。
2年前はもう少しお安かった気がするのだけどなあ。
2人で食べたら諭吉…じゃなくて、栄一越えしちゃう。
うなぎっていつからか、超お高級な食べ物になったわよね…。

というぼやきはさておき、注文してから15分ほど待ったころでしょうか。
「お待たせしました」という声とともに運ばれて来た「上うな重」。

蓋を開けたら、まあなんて香ばしい香り!そしてこの美しさ!
輝くうなぎさんが登場しました。
はーたまらん。

嬉しそうな母の写真を撮り(本人掲載NGだそうです)、ふたりで美味しい美味しいといただきました。

ぱりっとした表面の香ばしさと、中のふわっとした身とのバランス、そしてタレが染み込んだご飯。
わさびで味変すると、ピリリと辛くてこれまた美味しい。
はまぐりのお吸い物は、とても優しいお味で癒される。
そしてきゅうりとキャベツのお漬物がいい箸休め。なんとこちらは、おかわりできて食べ放題!

がしかし、まるっと1匹分のビッグうなぎと、ぎっしり入ったご飯はなかなかボリューミー!

3分の1ほど食べた頃に「無理だな…」と悟り、持ち帰り用のパックをいただくことに。

(このパックと小さな容器に入ったタレ、さらにはビニール袋までいただきました)

今年は猫のために父に留守番をお願いしたので、父へのお裾分けに。
父、お留守番ありがとう。


うな富士さんは、ネットからも予約できますので、もし名古屋に立ち寄られた際はいかがでしょうか。(追記:東京の有楽町や京都にも進出されているみたい!)

ただランチは60分制なので、あまりゆっくりはできないかも。

今回もうな重が出るまでに15分以上かかっていたので、食べる時間は30分ほど。
食べ終わってはいたけど、もうあと5分10分ゆっくりしたかったのが本音かな。



写真を遡ったら、2015年にはうなぎを食べに行っていて(それ以前はデータがないので不明)、もう9年も続けているのかと驚いた。

(2016年のひつまぶし。こちらは「竜むら」さん)

今年、母は86歳になった。
あと何回、こうしてうなぎを一緒に食べに行けるのだろう。

まだ行きたいお店はあるから、もうちょっとだけ頑張ってね。

おかあさん、お誕生日おめでとう。


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