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我が家に伝わる「やってはいけないこと」が多すぎる話。
「夜、爪を切ったら親の死に目に会えない」
「夜、口笛を吹いたら蛇が出る」
こんな話を聞いたことがある人はいるだろうか。
だから「夜は爪を切っちゃダメ」だし「夜に口笛は吹いちゃいけない」。
昔からの言い伝えというか、タブーというか禁忌的なもの。
他には、箸から箸へ食べ物を渡す「箸渡し」や、北に頭を向けて眠る「北枕」なども「やってはいけない」とされている。
上の2つは元々「夜は暗くて爪を切ったら危ない」「夜口笛を吹いたら近所迷惑」という理由から始まったもので、下の2つは葬儀を連想するから避けられている行為だ。
そして我が家には、こういう「やってはいけない言い伝え」的なものが上の4つ以外にもいっぱいある。
ざっと書き出してみるとこんな感じ。
・衣類は北向きに掛けてはいけない
・やかんや急須、醤油差しなどの注ぎ口は北を向けてはいけない
・冷たいものの上に熱いものを注いではいけない
・日が沈んだら靴を家に上げてはいけない
・日が沈んだら新しい靴を下ろしてはいけない
・傘を室内で開いてはいけない
・着ている服に刃物を使う時(糸が出ててハサミで切るとか)は、「脱いだ」と言わなければいけない
・敷居を踏んではいけない
・1月1日は文字を書いてはいけない
・1月1日は刃物を使ってはいけない
・火(ガスコンロ)の上に刃物やまな板を持ってきてはいけない
・家族間では定規を手渡ししてはいけない
・刃物の上をまたいではいけない
他にもあった気がするけど、今思い出せるのはこれぐらい。
多分、他の家庭に比べたら多いと思う。
たとえば夜出かける時に新品の靴を履こうと思ってたのに、日がある間に下ろしておかなくて「今日それは履いちゃだめ」と言われたり、元旦は字を書けないから、届いた年賀状に返事を書くのは2日以降じゃなきゃだめだったりと、昔は結構厳しかった。
最近はだいぶ緩くなってきて、夜に爪を切ることもあるし、「脱いだ」と言わずに服から出た糸を切るし、切ったお豆腐をまな板ごと火にかけた鍋の上に持って行ったりするし、水の上に熱湯を入れることもある(母に『逆』と言われるけど気にしない)。
だけどいまだに、衣類を北向きに掛けるのと、注ぎ口を北に向けるのはどうも抵抗がある。
ホテルに泊まる時も、上着をハンガーにかける時に「北ってどっちだろう」と一瞬考える。
わざわざiPhoneのコンパスで調べたりはしないけど、本当はなんとなく気になってる。
注ぎ口も「北には向けない」が体に染み付いているので、急須やヤカンはもちろん、シャンプーのポンプや洗剤のスプレーの口も北には向けられない。
まずあり得ないけど、両親が北を向けて置いていたら速攻で直す。
なんだろう。
なんとなく北を向いていたら気持ちが悪い。
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この全ての言い伝えは、一体父と母のどちらが持ち込んだのか謎なのだけど、我が家では市民権を得ている。
多分、服の北向きは葬儀の時にやることだと思うんだけど、室内の傘とか靴とか定規とか、一体何を起源にしているのだろう。
みなさんの家にもこういう「謎の言い伝え」はあるのでしょうか。
もし同じものや違うものなどあったら、教えてください。ぜひ。
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