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乗り換えの北京空港で過ごした1時間がとても「旅らしい時間」だった話。【パリ旅日記12】

6日間過ごしたパリを出ていざ日本へ。
さよなら、パリ。
ありがとう、パリ。

行きは、シンガポール乗り換えだったけど、帰りは北京乗り換え。

行きに比べると飛行時間がダントツ少なくて助かる!
(行きは日本→シンガポールが6時間、シンガポール→パリが14時間でした)


たぶん、はじめてのエアチャイナ。
北京までは通路側の席を取りました。

(私の画面はタッチパネルが壊れてた涙)

パリから北京の乗客は、ほぼほぼ中国の人。
全体的に声が大きくてなかなかな感じでした。

ごはんはこんな感じ。

(夜ご飯)
(朝ごはん)

普通に美味しかったです。
(割となんでも美味しく食べられる人なので参考にならないかもだけど)
どちらもほぼ完食しました。

ほとんど動いてないのにちゃんと食べられるのすごいよねって、飛行機に乗ると毎回思う。


10時間しっかり爆睡して、北京空港へ。
人生初の北京空港。
思ったより広い!
さすが中国!!

えっとー。
ところで、私はどこへ行けばいいの…?

とりあえず飛行機から降りた人たちについて歩いてたら、たどり着いたのは長ーい行列。
「え?私はこれに並べばいいの?」と不安に。

看板には「中国人はこっち」「EUとなんとかはこっち」と書かれていて(記憶が曖昧だけど、とにかく「Japan」の文字はなかった)、「え?日本人はここじゃないの?じゃあどこへ行けばいいの?」と困惑。

誰かに聞きたいけど、係員っぽい人は一人も見当たらないし、周りにいるのは中国人らしき人たちばかりで声をかけることもできないし、スマホのWifiも繋がらないから調べることもできず…。

さらには壁沿いにテーブルと何やら用紙が置いてあって、そこで何かを書いている乗客の人たちも。

「もしかして、入国申請的な用紙を書かなきゃいけないの?」と思うも、行列を離れることもできず「まあ乗り継ぎ3時間あるし、万が一並んで違ったらその時聞けばいいか…」と、不安なまま並ぶことに。


すると、後ろから聞こえてきた英語の会話。

数人の欧米人がアジア人っぽい青年に「乗り換えなんだけど、ここで合ってる?」と聞いていたのです。

そう!私もそれが知りたい!と思いながらも、会話に突入するほどの勇気も英語力もないので、そっと耳を傾けていました。

すると「ここで合ってると思うよ。〜〜って書いてあるから」と看板を指さして何かを説明している男の子。

「ああ、肝心なところが聞こえなかった…」と思った瞬間、彼は「僕も成田へ行くから!」と。

え?今「NARITA」って言ったよね?
もしかして、アーユージャパニーズ???!

「あ、あの、すみません。もしかして日本の方ですか?」と勇気を出して声をかけると「はいそうですよ^^」と笑顔の青年。

「あー!よかった!あの、私は名古屋行きに乗り換えなんですけど、この行列で合ってますか?看板に『Japan』が見つからなくて」と矢継ぎ早に聞くと「ああ大丈夫ですよ!あの〜〜が『その他』って意味なので、日本も含まれてます」とのこと。

ああ、英語得意民ありがたい。
こうなったらもう一つ教えて欲しい。

「そうなんですね!助かりました!もう全然分からなくて!
あのー、厚かましくももう一つ聞いていいですか?あのカウンターでみんな何か書いてますけど、私たちも書く必要があるんでしょうか…?」

すると青年は「確かに!もしかしたら必要かも!僕ちょっと聞いてきますね!」と軽やかに走り去り、どこかにいた係員さんに聞いてきてくれました。

「どうやらあれは僕らには必要ないみたいです!」とのこと。

「本当に助かりました!ありがとうございました!」と誠心誠意お礼を伝えると、そのまま世間話が始まりました。

どこに行っていたのか、何日間行っていたのか、何を食べたのか。そんな旅の話を延々と。

彼はドイツ経由でパリに来たんだそう。
鉄道の仕事をしているから、ヨーロッパの鉄道に乗りたかったんだとか。

「にしても、物価高かったですよね〜」
「やばかったですよね!」
「私、フォーが2,000円でした」
「マジっすか!?あ、僕はスタバのセットが結構お得で」
「え。そんなのあったんですか?」

全然進まない行列に並びながら、旅の思い出話に花を咲かせて10分ほどした頃だったでしょうか。
私の斜め前に並んでいた白髪の欧米人マダムが、くるりと振り向き日本語で「全然進まないわねえ」と。

「え?!日本語?!」と、私も青年もびっくり。

マダムはパリの人で、和歌山にいる旦那さんに会いに行くそう。
以前は日本に住んでいたんだけど、今はパリにいて、時々日本を訪れるんだとか。

そこからは3人で、パリの話や日本の話。

パリの人が英語を話しててびっくりした話から、フランス語って難しいよねという話。女性名詞とか男性名詞とか、数字の数え方とか覚えられないよ!とか大笑い。

そして、マダムが日本にいた理由は「海外青年協力隊でね」と言った瞬間、青年が「え!ほんとですか?!僕、来月からそこで働くんです」と。

アンビリーバボー!
なんという偶然でしょう!

「あら、どこの支部?」「どこそこです」「あらそうなの。私はどこそこにいて」「分かります」「あらやだ大先輩じゃないの」「ほんとですね!」と盛り上がる2人。

マダムは以前、青年海外協力隊として、日本でフランス語教師をしていたそう。
そして彼は来月からインド(だったかな?)へ行って鉄道関連の仕事をするそうで「そのために鉄道を見にきたんです」とのこと。

こんな偶然あるんですね…!と盛り上がるうちに、行列が終わって手続き終了。


「いや〜長かったですね〜」と言い合い、これから自分たちが行くターミナルを確認。

青年「僕は成田なんで、右ですね」
私「私は名古屋なので左」
マダム「私は関空だから真っ直ぐだわ」

まだ時間はあったけど「お茶でもしましょうよ」と言うこともなく、「じゃあ!」とそれぞれの道に進もうとした時、青年が振り向いて言いました。

「こういう時、フランス語でなんて言うんでしたっけ」
「Au revoir(オルヴォワール)!よ!」と笑顔で答えるマダム。

「オルヴォワール!」

みんなで大きな声でそう言い合い、ぶんぶんと手を振って、一斉に自分たち道へと歩き出しました。


時間にしたら1時間ほど。

でも旅の最後にして、旅らしい出会いと別れをしたなあと、じんわり嬉しい切ない気持ちで名古屋行きのターミナルへ歩いて行きました。




そんな別れのあと、私は名古屋行きの搭乗口へ。
途中にあったスタバでラテを購入。

「ソイラテ…?」と言ったら「ノー!ソイ、ノー!」と言われました。
中国にはソイはないらしい。

そこから2時間弱、ターミナルで過ごしました。
広くて立派な空港なのに、とにかく寒くてつらかったです。
まだ早朝だったからかな。

8時55分。
オンタイムで名古屋行きの飛行機が出発。
いよいよ日本へ帰ります。

今度は窓際の席に陣取りました。

(よく見ると高層ビルがせせこましく建っている)

機内ではCAさんから「外国人入国記録」を渡されました。

どうやら中国人だと思われたようです。
中国人顔なのでよく間違われます。
慣れっこです。

昔、中国人の子に「僕のいとこにそっくり!本当に中国人みたいだ」と言われました。

なんだろう。あんまり嬉しくない。

そんなこんなしているうちに、あっという間に名古屋に到着。

中国の方はスマホで音出しで何かを見るのが通常のようで、あちこちうるさかったです。
イヤホン使お?

以上、パリ→北京→名古屋の旅でした。

ちなみに日本に到着したら、空港発の電車が止まっていたのが最後のサプライでした。なんでやねん。

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オカダトモコ 旅が好きなライター / カメラマン
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