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藤村と谺と浅間山と

【スキ御礼】歳時記を旅する23 〔春浅し〕中*浅春や谺は父の声に似て

島崎藤村の詩の中でも、谺は春のものとして読まれています。

島崎藤村の歌集『若菜集』の詩「深林の逍遥」では、山精やまびこ木精こだまと題する歌が挿入歌として交互に現れます。
春の林の中で山精やまびこ木精こだまが春が到来したことを喜び合っているようです。

次はその中の木精こだまの歌の一つ。

「木精」
ふるきころもをぬぎすてゝ
はるのかすみをまとへかし

なくうぐひすのねにいでゝ
ふかきはやしにうたへかし

島崎藤村『藤村全集第1巻』筑摩書房 1966年

木精は山精に向かって、春になったのだから古い衣を脱ぎ捨てて霞をまとって林の中で歌えよ、と。

最後に、元記事では浅間山を取り上げましたが、その浅間の意味についてKazさんが興味深い考察をされているのでご紹介させていただきます。

(岡田 耕)


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