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子育てにおける「ことば」

「自分がされてイヤなことは、人にしないでおこう」
幼少期に、ずっと言われ続けてきたことば。

これは、間違いだ。

なぜなら
自分がされてもイヤじゃないことは他人も大丈夫だと思ってしまうから。


「知らない人にはついていっちゃダメよ」
これもよく言われてきたことだろう。

これも間違いだ。

子どもは巧妙に話し掛けられると
その人を「知っている人」だと認識する。


「勉強するときは正座」
3歳のときから、学習タイムが終わるまで正座をし続けていなければ
今より5cmぐらい足が長かったかもしれない。



モデルの道端3姉妹は
母親からそれぞれ
「あなたが姉妹の中で1番キレイ」
と言われて育ったという。

これはすごく、しっくりときた。

道端3姉妹の母のような
おしゃれな教育はしていないが。


兄妹喧嘩をしていて
それぞれが言い分を訴えにきたとき、

話を聞いたのち、

「それは確かにイヤだったね…。なんで⚪︎⚪︎はそんなことをしたんだろう。なんでだと思う?」
と、共感した上で相手の気持ちも想像させつつ、
それでも
「あいつがさ!」
「本当に許せない」
となった場合は、

「ねえ、これ、ママのお刺身。見て、サーモン。君たちに内緒でこっそり食べようと買ってきたんだけど、ひとつ食べる?」

と切り出す。

我が子はサーモンが大好きなので、
ひと切れ食べるとだいたい上機嫌になるし、
同時に少し冷静さを取り戻して、
相手の気持ちを考えるようになる。

子どもが小さなあいだしか使えない秘技。

サーモンには抗酸化作用があり、
眼精疲労にも効くので、
自分のために普段から常備している。
いい塩梅だ。



「⚪︎⚪︎だけにだよ?他の子には内緒ね」
そう言って、自分の大切なサーモンを献上する。

「あなただけが特別」
そう言われると、
自分は特別な存在だから、と
少なからず気持ちの余裕が生まれるのではないかと思う。


収束しない争いを
どうにかおさめる手段として編み出した方法だが、

あるとき、ふと気付いた。

「わたし、道端3姉妹の母と同じ子育てしてるやん!?」
「あのスーパーモデルを育てたお母さんと一緒やん!?」
(超ポジティブ)


私は道端富子。

そして、
世の中には、
もっと素晴らしい富子さんがたくさんいる。


とあるママ友とホームパーティーをしたとき、
我が子と喧嘩をしたママ友の子が、
シュンとしていた。

ママ友の子はうちの長男の1つ下で、
長男と一緒に遊ぶのをとても楽しみにしてくれていたらしい。

お友達同士の喧嘩の場合、
自分の子がいとおしいと思いながらも、
まずは双方を集め、意見を聞き、
両者で話し合う、という解決方法を取るパターンが多い。


しかしそのママ友は、
迷うことなく、
自分の子を抱きしめに行った。
「悲しかったね」と。
10分ほど、抱きしめながら気持ちを共有していただろうか。

そして、その後子ども同士で気持ちを伝え合う。


めちゃくちゃ偉いな、と思ったし、
それを喧嘩相手の母である私の前でやってくれたことも、
気を使われていない気がして嬉しかった。


お友達との喧嘩で弱った心にはまず、
大人が解決させるのではなく、
一旦、悲しみを全力で受け止めてあげる。

それをすることによって
「お母さんはあなたのことを一番大切に思っているんだよ」
というのを伝える。


どおりでママ友の子たち、
素直で優しく育っているんだな。

きっと普段から、
愛をたくさんもらっているのだろう。



子育てをしていると、

自分に余裕がないとき、
世間体を気にしたとき、

子どもの気持ちまで考える余裕が
なくなる場面がある。


「ことば」の力は偉大だ。
怖くもある。

だからこそ、
その「ことば」が子どもの心にどう伝わるか、
それを考えながら発し、行動していきたい。






















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