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貢献度が低い大学生のファンからアドバイスをもらった新人作家の本当に言いたいこと
743文字
この数年間、私はひたすら書き続けてきた。テーマもジャンルも手を変え品を変え、12冊の本を世に送り出したが、売上は芳しくない。それでも私は書き続けた。いや、書くしかなかった。書くことが自分の生き方であり、アイデンティティだからだ。
ところが、ある日、何も知らない若者からこう言われた。
「作家になった方がいいですよ。」
言葉を失った。いや、笑うしかなかった。「なった方がいい」どころか、もうなっているし、血と汗と涙を注ぎ込んだ12冊もの作品を出版している。だが、売れていない。それが全てを物語っている。
この社会では、売れない作家は「作家」として認識されない。読者が手を伸ばし、お金を払って本を買い、その本に目を通してくれなければ、私の作品は「存在しない」に等しい。誰かが「作家であるべき」とか「もっとこう書け」と批評するのもいいだろう。しかし、そんな言葉の数々よりも、私が一番欲しいのはただ一つ、本を買ってくれる人だ。それだけで私は再びペンを握り、もっと良い作品を書こうと思える。
誰も本を買わなければ、私の作品はどうやって他者の目に触れる?その評価をどうやって知る?アイデアの源泉は、自分の中に閉じこもっているだけでは枯渇する。新しい発想は、読者との交流、読まれた結果としての感想や批評から生まれる。私の中にある言葉をもっと磨き、形にしていきたいという意欲も、誰かの手に届いた瞬間に育つものだ。
だからこそ、私は決意した。この不毛な状態を打破するため、毎月1冊、1年間、書き続けていく。来年も、再来年も。それは単なる気合ではない。これが最後の賭けだと思っている。
私の声を聞け。私の本を読んでくれ。そして、ただ一つ、行動してほしい。
「買え。」
それだけで、私はどれほど救われることだろうか。