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いちおう仕事もしているのであります

 プロの貧乏人ですが、まだ「貧乏で食べていく」という境地には至っていないので、いちおうゆるゆると仕事もしています。
 もともと頑丈な方では無かったので、「ちから」がありません。力仕事は無理です。さらにかしこではないので頭脳労働も無理です。なので、文章を書く仕事をしています。売文業、ナウな言い方で「ライター」というやつですね。
 普段使ってる言葉で普通に文章を書いて、それでお金がもらえる。いや、よくぞ世の中にこういう仕事があってくれたものです。

 ただ、ライターの仕事は不安定です。常にとても危うい状態で安定している、とも言えますが、そんな安定はやっぱりあかんやつです。生活がままなりません。なので、ライター以外にも細々と仕事をしています。
 そういう仕事について、ちょっとお話をしてみます。

 まず、いまわりと助けてもらっているのが、警戒船のバイトです。
 警戒船ってあまり知られてないかも知れませんね。海辺や川辺の工事現場に、前後に「警戒」という赤い旗を立てて浮かんでいる小さな船があるんですよ。
 工事の際には警戒船を浮かべておきなさい、という法律があって、その船には船長さんと、船舶免許を持った「乗り子」という乗組員、二人乗ってなければならないのです。何をしているかというと、工事現場に他の船が近づかないように見張ってる、つまりガードマンの役目ですね。
 乗り子のぼくは、海(というか河口辺り)に浮かんでる船に乗って、一日中辺りを監視して(というか眺めて)いるのが仕事なんです。
 まあ本職の船乗りはわざわざ近づいてきたりしませんし、遊びの船の人もこんな殺風景な河口の工事現場にあまりやってきません。
 むかし役所に勤めていた頃、「南港のWTC辺りで一日中ゴジラが来ないか見張ってる仕事とかあったら良いのになあ」なんてよく思ってましたけど、まさにそんな仕事に巡り会った、という感じですね。

 他に、ライターの仕事の延長で、Pepperくんに言葉を教えていたこともあります。もう今はあまり居ないですけど、一時期あちらこちらの店頭で接客をしていたPepperくん。なんか微妙な駄洒落とかなぞなぞ、謎かけとかをたまに喋ってませんでした?実はああいうのを教え込んでました。
 オフィスのiMacに向かって、一日中なぞなぞとか駄洒落とか回文とかを考える仕事。なんかシュールじゃないです?
 いやほんと、いい仕事でした。まさにぼくの天職じゃないかなんて思ってました。またああいうの無いかなあ(無いわ)。

 ほんと、我ながら細々とした仕事ですね、改めて考えてみると。この辺りでもうちょっと太い客、やなくて、太く儲けてみたいですね。いや、プロの貧乏人というところに別に誇りとかプライドはないので。
 大富豪はいろいろと狙われたりしてこわいので、中小零細富豪というおいしいポジションに行きたいものです。

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