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#97『グリム童話』池内紀 訳
うん、なかなか。という冴えない印象。古典的資料を前にしばしば陥るこの感想。勿論、敬意を表する。そこから読み取りたいとも思う。しかし、そんなに心が震える訳ではない。正直。
一つには有名すぎるので、もう何度も読んで聞いて知っているということ
。後はアンデルセンと違って、これは個人の創作童話ではなく伝承なので、近づきがたいものがある。
まあ、しかし伝承には伝承の無敵の強さがあるので、朗読の語り口や挿絵の素晴らしさによって、永遠の命を保つことは言うまでもない。
池内さんの訳に関しては良かった。ゲーテなど他の作品だと、軽妙過ぎる感じがあまり好きではない。そんなに軽くせんで良い、といつも思ってしまう。しかしグリム童話には合っている。
夜な夜な枕元で楽しく読んだ。