【開催レポート】目的のない読書会 (えぬ会) 第10回 2023年5月19日(金)
金曜日は夜のお愉しみ。
第10回えぬ会(目的のない読書会)が開催されました。
記念すべき10回目の開催です。もうそろそろ1年になるのですね。
足下が悪い中、6人の方がお越し下さいました。
本の紹介
紹介された本は以下の6冊。
アサウラ『ベン・トー』(2008年、集英社)
ノヴァイオレット ブラワヨ『あたらしい名前』(2016年、早川書房)
ハリイ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』(1993年、早川書房)
西尾維新『化物語(上)(下)』(2006年、講談社)
高田祐彦(翻訳)『新版 古今和歌集 現代語訳付き』(2009年、角川学芸出版)
南原詠『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来(文庫)』(2023年、宝島社)
全体的にやや昔の作品の紹介が多かったですね。
この中でも印象的だった3つの紹介を抜粋してお送りします。
トップバッターはファシリテーターの十一里あるくさん。
読書会の始めは、あるくさんの紹介が恒例となっています。
今回の本は『ベン・トー』。
最近の覇権アニメ、リコリス・リコイルの原作者の書いたライト・ノベル。普通の世界を救ったり、ヒーローになったりするライト・ノベルと違って、真剣に半額弁当を取り合って、それだけで1話が終わるような小説のようです。一から十までふざけている、いや、むしろふざけていない箇所などない、そんな作品とのことです。
続いて、参加者が紹介するパートに移行します。
参加者の本紹介はランダムな順番で行われます。
印象的な本の2冊目は『あたらしい名前』。
ムガベ政権下での、ジンバブエを題材にした「小説」だそうです。
子どもから見た具体的なジンバブエ、そして時代に流されて貧窮し、純粋無垢な主人公が、だんたんと複雑な気持ちを抱き、大人になっていくお話。
紹介の仕方も、その内容も、とても具体的で、途中までエッセイだと勘違いして聞いていました。ガーナ人という人種問題、ムガベ大統領によるハイパーインフレーションとオバマ大統領の政策。現代史の授業を聞いている気分になりました。
最後の3冊目は『新版 古今和歌集 現代語訳付き』。
古今和歌集、というよりその紹介がとても気になりました。
和歌が当時の平安貴族にとってどのようなものか解説されており、実は収録されている歌のほとんどは、身分の低い貴族が歌ったものの様子。
這いつくばりながら生きていた者たちの、数少ない成り上がりの手段として存在していたようです。もちろん、歌は選ばれたものの偉くはなれなかった貴族もいた模様。ですが、貴族達は安定した暮らしではなく、いつ沈んでもおかしくない地位に不安を感じながら暮らしていた、とのことです。
参加者全員の紹介が終わった後、えぬ会独自の「ええやんタイム」が始まります。受付の際に渡される「ええやん」というカードに感想や思ったことを書いて、紹介者さんに手渡します。書くことに困れば「ええやん」と書いて何かを伝えましょう。
「ええやんタイム」と雑談を交わし、気が付けばもう21時。
良い時間になったので、お開きとなりました。
次回は6月23日、どんな本が紹介されるか楽しみです。
次回開催予定
2023年6月23日(金)
水野ゼミの本屋
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過去の開催レポ
第9回の開催レポートはこちら。
第8回の開催レポートはこちら。
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第1回の開催レポートはこちら。
文責 (翔)
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