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【開催レポート】カルヴィーノ『木のぼり男爵』を語る読書会 2023年4月15日(土)

水野ゼミの本屋の書店主、itatana(イタターナ)さまが主催するイタリア文学の課題本型読書会。2023年は、イタロ・カルヴィーノ生誕100周年を祝して、カルヴィーノ作品の連続読書会。
第2弾として『木のぼり男爵』を語る読書会が開催されました。

参加者は主催者を含め5名。前回『まっぷたつの子爵』を語る読書会の参加者の方が集まりました。
開始前に、参加者の男性から1枚のプリントが配られました。それは本編に出てくる動植物をまとめたもの。他の参加者からは歓声があがり、作中の景色がより鮮明になると大好評でした。

一生を木の上で過ごすことになった主人公。作中では木々を駆ける描写が多く書かれます。その様子に映画「アバター」や井上ひさし原案の舞台「木の上の軍隊」を彷彿とさせるという意見が。

恋人、友人、叔父など人との別れが多く描かれる本作。特に印象的だと盛り上がったのは、主人公の母親が息を引き取るシーン。唇に当たっても割れないしゃぼん玉で旅立ちを表すドラマチックさに参加者一同心を惹かれました。

恋人となる女性と主人公の関係性は前作『まっぷたつの子爵』とも共通する。自由奔放な女性と、それに振り回される男性。次回『不在の騎士』でもこの関係性が出てくるのか期待したいという声も。

地上に戻らないことは父や貴族という立場、同調からの離脱ともとれる。しかし、木の上から人と関わり、男爵として領地を守った。主人公の中にあるあこがれとあきらめが行間から見えてくるようだ。

終了後、主催者のitatanaさまがTwitterでこのような問いかけをしています。

みなさんはどこへ行きますか?

【次回開催案内】

カルヴィーノ連続読書会第3回 『不在の騎士』を語る読書会
2023年6月17日(土)

文責:青谷夏野

以上


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