勉強会記録:中華的卵の調理法
先日、墨花居(中野の中華)さん主催の勉強会に参加させていただきました。(講師:小西出料理長・高橋料理長)
こちらのお店は一般的なイメージの中華とは少し違うと思います。正直、私は中華って大雑把で大半が油っこいものだと思いこんでいましたが、墨花居さんのお料理を食べて、小西出料理長のお話を伺って中華料理の素晴らしさの一端を学ぶことができました。
今回のテーマ「卵」
どの国の料理でも使用されている鶏卵。使い方は様々ですが、中華特有の使い方についてです。
1、芙蓉蟹(フーロンシェ)
卵白で作る真っ白なお料理です。これが出せるお店はかなりのレベルというくらい鍋の温度の見極めが難しい料理とのことでした。
よく焼いた鍋(少なくとも3回油ならしする)に蟹のほぐし身の入った卵白で薄焼き卵を作り、こそげるようにして集めてひっくり返し、少し焼いたら出来上がり。色をつけてはいけないというところがポイントです。写真は卵4つ分の卵白でした。
味付けはシンプルに塩。トッピングに中華ハムをかけてあります。
食べた感想としてはふんわりした目玉焼きの白身の味。
2、芙蓉賽螃蟹
卵白を油で揚げて調理します。油の温度は130℃程度。少量の水溶き片栗粉を加えた卵白を油に投入して素揚げする。卵白が油に入った瞬間凄い勢いでブクブクに膨らみます。
ポイントは卵白を油からあげたあと、熱湯をかけて油を流すところだそうです。これで油っぽさを抜くそうです。とろみをつけた上湯ベースのソースをつくり、卵白を戻し入れて軽くあわせて出来上がり、卵黄をあしらって完成です。
ふわふわの卵白が優しい一品でした。
3、法蓮草の翡翠スープ
ほうれん草のペーストで色をつけた卵白を穴あきの大きなおたま(ザーレン)越しに油中(130℃)に流し入れます。揚げ鍋の中を泡立て器でガーッとかき混ぜてつぶつぶを作ります。(←新しい調理法!)
油からほうれん草の粒を引き上げ、熱湯で一瞬湯がき油抜きをします。スープの具として加えて出来上がりです。
卵白にこのような使い方があったとは、、、初めて知りました。
4、おまけ:フカヒレの姿煮込みを作るコツ
フカヒレは卸の業者の見極めが大事らしく、水で膨らませて嵩増ししているようなものも少なくないとのこと。お店では良い業者と取引が出来ているので肉厚で良質なフカヒレを使うことが出来るそうです。
フカヒレは3時間蒸した後、上湯に砂糖と醤油を加えたところで煮ていきます。砂糖は甘さではなく、フカヒレの繊維を柔らかくし、味に丸みをつけるためのものだそうです。煮詰まってきたらオイスターソースを加えて調味し、水溶き片栗粉でとろみをつける。(緩いくらい)
皿にスープ2/3量を盛り付け、残りのスープとフカヒレは強火で煮詰めていく。鍋の周りがぎりぎり焦げないくらいまで煮詰めて、香ばしさを引出し、香りのねぎ油を加えて仕上げる。
こうすることでスープが重くなりすぎず、煮詰めることでつく香ばしい香りがつき、美味しく仕上げられるそうです。
フカヒレを調理する機会はほぼないとは思いますが、調理法の一つとして勉強になりました。