薄氷の蔦沼 【蔦の森 24/1/27】
いい雪が積もって、ようやく気温もある程度安定してくれた(例年よりはやっぱり高いけど…)ので、バフバフの新雪の踏み心地を存分に楽しむ為に、奥入瀬渓流よりも積雪量が多い蔦の森へお出かけしてきました。
ギュギュッと雪を踏み締める音を堪能しながら歩く時間は癒しのひと時でもあります。
あんまり深すぎると修行のひと時ですが…。
秋の落ち葉の絨毯を歩く時の音を楽しむ感覚と近しいものを感じます。
蔦の森の中に点在する沼の中で一番大きな蔦沼。
別の場所から湧いてきた水が地中を通って蔦沼に繋がっています。
蔦沼の水は表面的には止まってみえますが、中では対流している為、表面の氷がなかなか厚くなることがありません。
蔦沼から森へ流れ出る辺りは特に氷が薄く、今年に限っては暖かいこともあり、凍っていない部分が目立っていました。
沈んでいる倒木の不思議な存在感に思わず見惚れてしまいます。
何かを語りかけられているような、そんな気がしました。
冬の森はとてもとても静かなので、森の声がふっと聞こえてきたのかもしれません。
蔦沼の薄氷の上には動物の足跡が残っていることがよくあります。
テンの足跡であることが多く、なるほど、薄いとは言っても1kg程度の重さには耐えられるんだな〜なんて思っていたある日のこと。
なんと、白鳥が歩いているではありませんか!
最後尾のくすんだ個体は若い白鳥。
白鳥は家族で行動を共にするそうなので、父、母、子といったところでしょうか。
白鳥ってどのぐらいの体重だと思いますか?
鳥は空を飛ぶ為に骨が中空構造になっていたり、身体を軽くする為の様々な工夫が凝らされているものですが…
なんと、約10kgもあるんです!重いっ!
市販の米の大袋と同じと考えると、結構な重さであることが分かると思います。
10kgぐらいまでは耐えられるから、テンなんて余裕だよと、白鳥が教えてくれました。
後にも先にも蔦沼で白鳥に出逢ったのはこの時だけです。
蔦沼の薄氷を見る度にこの家族を思い出します。
白鳥の湖ならぬ、白鳥の沼。
なんだか印象が悪い気がして、タイトルには不採用となりました。笑
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