森を闊歩する鳥 【奥入瀬 24/1/24】
いつも通り奥入瀬渓流を歩いていたら…
対岸の森をめっちゃ堂々と歩いている鳥がいるではありませんか。
飛んでないんです。
しっかり歩いてるんです。
ヤマドリという野鳥です。
冬の森を歩いていると、足跡は割とよく見かけますが、ご本人(ご本鳥?)に出逢うことはそう多くありません。
植物の葉や種子、昆虫類やミミズなどを好む食性のせいなのか、いつも樹上ではなく地上で出逢います。
岩陰の死角で休んでいる所にばったり遭遇した経験が何度かあるのですが、その度に心臓が止まったかと思う程に驚かされています。
こちらの気配を察知すると、まず飛び去るのではなく、ジッと身を潜めるんです。
あわよくば、どうにかやり過ごそうとでも思ってるんでしょうか?笑
そうして我慢の限界まで接近されると…
ドドドゥッッ!!!
と、けたたましい羽音をたてて岩陰から飛び去っていきます。
この羽音の迫力の凄さたるや…
鉄砲で打たれたんじゃないか?と錯覚するほど笑
ヤマドリとの出逢いはいつも突然。
落ち着いて観察できた試しがないので、この日の出逢いはとても嬉しい機会でした。
立派な長い尾羽はオスの最大の特徴。
胴ふたつ分にも相当する長さは、かなり立派と言って良いでしょう。
写真を拡大して見ると、尾羽に節のような模様があることがわかります。
この個体はおそらく8節かな?
昔は倍の16節もの長い尾羽をもつ雄もいたんだとか…
尾羽に目が向きがちですが、首から胴にかけての優美な模様も素晴らしい。
闊歩しているという表現がしっくりくるような気がしませんか?
でも、実際のところは飛ぶのが面倒くさくて歩いてるんじゃないか?と思ったりしてます。
3年前のちょうど今頃に撮影したヤマドリの痕跡を引っ張り出してきました。
極力飛ばないという意志が感じられませんか。
よっこいせって声が聞こえてきそう笑
飛ぶ寸前にグッと屈んだ時の凹みから、羽ばたきの痕跡まで残っているので、どう動いたのかがリアルに想像できる、素晴らしい痕跡でした。
今年は雪が降ってもコンディションの悪化が早いので、面白い痕跡に巡り合う機会がなかなかありません。
冬もあっという間にもう折り返し…。
ヤマドリの尾のように長い冬を望みます。