JKが1000円カットに行った末路
華のJKという思春期まっさかりの時に
最悪の選択をした事を思い出した。
1000円カットに行った事。
1000円で髪を切ってくれる
低コストとスピード感など
コスパ、タイパという
観点においては素晴らしいお店だが、
今ならわかる。
お洒落を求める女子高生が行く場所ではなかった。
ことの発端は地元のイオンに
1000円カットの店ができて
父親が行ってみたところ
『安いしいいぞ』と言っていたので
バカ素直な私は安いし良いのか!と
早速翌日に髪を切りに行く事にした。
当時はAKBの前田敦子がセンターとして
活躍しており、別にファンではなかったが
この髪型かわいいなあと思っていた。
よし、良いと評判の1000円カットで
前田敦子にして下さいと言おう。
これが大きな間違いだった。
私は胸辺りまで伸ばしたロングヘアーを
風に靡かせて店に向かい、
早速切ってもらう事になった。
『前田敦子みたいなボブにして下さい』
ちゃんと希望を伝えて丁寧に写真まで見せた。
『わかりました!』
母親くらいの歳の女性店員がハキハキと承諾し
髪を切り始めた。
切られている途中から、
大胆に切っていくなあ、
プロは違うなあ〜とぼーっと見ていたら
段々あれ?と不安な気持ちになっていった。
が、もう遅い。
切り終わった髪をみて
初めてヘアサロンで
泣きそうになった。
いや、ちょっと涙出た。
そこには佐藤二朗の髪型をした
わたしがいた。
ボブを通り越し、男性的なショートカット。
頂点の髪の毛は5センチほどしか無い。
無造作に切られているのでツンツンとした髪。
『えっと、、これは、、短く無いですか、、?』
あまりにも悲しすぎて言葉にすると涙が
溢れそうだった。
『この方が可愛いかと思って!』と
元気よく答えられた。
そして最後に観葉植物にやるような
水吹きで水をかけられて
少し湿った短い髪になり店を出た。
店員、父親、バカ素直な自分、
全員憎かった。
翌日誰も見ないでくれと思いながら
学校へ行き、席に座っていたら
『佐藤!』と言われた。
クラスの男子佐藤くんと間違えられた。
最悪だ。佐藤くんは良い人だけど
佐藤くんと一緒の髪型になるのは
望んでいなかった。
後日、家に届いた新聞をなんとなく見ると
私が行った1000円カットが求人広告を出していた。
その中に『未経験者要相談』と記載されていた。
あれから2度と1000円カットには行っていない。