本当は怖い消費税の話
2024年10月21日 月曜 ☂️
国内は衆議院議員総選挙で各種媒体では自民下ろしの声が過去最大になってるなと感じる。
それはそうだろう。失われた30年という言葉からわかる通り、国民の所得は増えることなく、物価だけ上がり、なおかつ税金や社会保障で給与や財布から巻き上げられる金額はどんどん大きくなっている。
金融の考え方として国内にあるお金の総量というのは不動だ。持ち主が変わってるだけだ。
これだけ国民のお金が減っているのなら、そのお金は何処に行ったのか。
国と一部の企業である。
今回はその中で身近な「消費税」の話。とても怖いと感じている。
堅苦しさを感じるかも知れないが、知っていて欲しい話だ。
消費税というのは一般的には「間接税」だと思われている。
間接税というのは、直接国に払うのではなく間接的に国に払う税金だ。
消費税というのは私たちが物やサービスを買った時にお店に支払う。お店は客から預かった消費税の合計から、自分達が仕入れなどに支払った消費税の合計を差っ引いた差額を国に払う。
(預かった消費税)−(支払った消費税)=納税額
ここまでは皆さん認知されてると思う。
つまり間接税とは一旦預かった(客が支払った)税金をお店が差し引きして国に払う仕組みだ(間接税)。
しかし過去の判例では「消費税は預かり税ではなく、物やサービスの付加価値に対してかかる税金」と判断されている。
つまりお店側はお客から税金を預かっているわけではない、という事だ。
インボイスという制度が導入されるまでは年間売上が1000万円未満の事業者はお客が支払った消費税を国に納税する義務がなかった。
つまり一部の人にとって益税だったのだ。
岸田内閣はそれを変えて、客から預かった消費税を納税しなさいという建て付けでインボイス制度を始めた。
お陰であちこちで赤字になる事業者が増えたわけだ。
何故そんなことをしたのか。これが本題だ。
消費税の還付制度
ここがこの話のキモだ。
消費税には還付制度がある。簡単にいうと客から預かった消費税よりもお店側が原材料などに支払った消費税額が大きければ差額を逆に国が納税義務者に還付する制度だ。
国内ではこの仕組みを利用するケースは恐らく稀だろう。
国内では何処でも消費税額は一律だからだ。
しかし。輸出となると話は変わってくる。
海外の客は日本の法律の制約を受けないのだから商品代金以外の税を払わないでいいのだ。
つまり、輸出する場合は企業は海外から消費税を預かっていない事になり、商品を製造する過程で支払った国内事業者向けの消費税は丸々還付の対象になる。
製造過程で下請けなどに支払った消費税額が1億であれば、丸々1億円国から還付される訳だ。
2022年度 輸出還付金
実に六兆円オーバーだ。
その約90%は経団連などに加盟する大企業に支払われている。
しかしである。最初に話したように消費税というのは預かり金ではなく、付加価値税であるので本来は客から消費税を貰っていようといまいと関係ない税金である。
還付する理由がないのだ。
しかし国税や国は消費税の計算についてあたかも預かり金(間接税)のような計算を用いる。
これが矛盾なのだ。ただ、これについて少しでもそれらしく見せるために、企業が下請けに対して消費税をしっかり払っている証明をさせようとした。
それがインボイス制度の本質だ。
「大企業が年間売上げ1000万円以下の下請けや個人事業主にもちゃんと消費税を払ってる証明をさせて、輸出企業もたくさん消費税を原価として払ってるから還付させてるんだ」
という「間接税っぽい感じ」だと誤認させたいが為だ。
つまりインボイス制度で廃業してしまう人たちからの怨嗟の声を甘んじて受けたとして、支持率が多少下がったとしてもらそれを超える甘い蜜が必ずあるという事だ。
じゃあ何故国は何兆円もの還付を大企業にするのか。
それは簡単だ。周り回ってその還付金は大企業から、政党や議員の私的な企業などに恐らく回ってきてるだろう。
もちろんバレないスキームで。
例えばこれは架空の話だが…
還付金を受けた企業が新製品のキャンペーンをするためにたくさんの人を雇用する必要があるため、一次店としてパソナに仲介を正式に依頼する。
これだけで何ら後ろめたくない利益がパソナには生まれる訳だ。簡単な話だ。
こんな風に長い長い一党政治の中で、我々は搾取されてるとも知らずに「彼らに都合の良いルール」で搾取されてるのだ。
消費税ひとつとってみても、本当は怖いものなのだ。
ちなみに消費税が導入され始めた年、企業に課されていた法人税は1999年の37.5%から現在の23.2%に下げられている。
法人税が下げられた分、消費税は上がっている。
政府の「税収という名のお財布」に入る税金は変わってないのだ。
そして大企業は減税された上に還付されている。
知れば知るほど怖い話だ。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?