何回も読み返す漫画
いい歳して、まだ漫画なんて読んでるの?なんて言われると立つ瀬がないのだが…昔ほどではないが今も漫画は読んでいる。
学生時分は週刊誌だけで
少年ジャンプ サンデー マガジン、スピリッツ、ヤングサンデーを毎週買っていた。月刊誌はアフタヌーンを。
それに加えてコミックも大量に買っていたから書籍代だけですごい額のお金を遣っていたように思う。
成年して実家を離れる時にブックオフに持ち込んだコミックが2,000冊、広島から愛媛に引っ越す時に処分したのが500冊だから単純に一冊500円だとしてもコミックだけで125万円も遣った計算だ。
うーん、実際いま計算してみても我ながら遣いすぎだと反省してしまう。
しかもあくまで処分したコミックだけなので、週刊誌や書籍など含めたら軽く300万くらい使ってると考えると少しだけ震える。
そんな自分の漫画歴の中でも、繰り返し読む漫画がある。
ストーリーは完全に記憶してるし、読むまでもなく思い出せるのにそれでも読んでしまう漫画を今回は紹介したい。
①紛争でしたら八田まで
世界中を商社などの依頼で飛び回る有能なネゴシエーターの八田さん。
知性と地政を武器に各地で起こる民族的、地理的な問題を解決に導く。漫画に地政学を持ち込んだ、ためになる漫画だ。
漫画自体の面白さより、とにかくリアルな世界観と実際に起こっている紛争をベースに描かれているので地政学の勉強になる。
日本にいては知ることのない、いろんな問題に触れる事ができる漫画だ。
②マスターキートン
私の漫画歴の中で燦然と輝く作品。
数多くある浦沢作品の中でも、ダントツに好き。
私が登山したり寺社仏閣巡りをしたり、地域の歴史を追いかけるのは全てこの本の影響だ。
主人公の平賀キートン太一は、普段はだらしない中年だが、実は保健調査員でありオックスフォード卒の考古学者であり特殊部隊のマスターというスーパーマン。
特に遺跡や古代文明について探究する部分にとても影響を受けた。ストーリーも基本的には美味しんぼのように1話完結で読みやすい。
ギャラリーフェイク(細野不二彦)などが好きな人なら必ずハマると思う。
③ふたりソロキャンプ
ふたりなのにソロキャンプという矛盾。
ソロキャンプを愛する男「樹乃倉」がひょんな事からソロキャンプ初心者の女子「草野」と出会う。
あまりに危なかしい草野のソロキャンぶりに、厳しい言葉を放つ樹乃倉。
自分が独り立ちできるまで2人でソロキャンプさせて欲しいという強引な草野の頼みに渋々付き合う樹乃倉…
キャンプの雰囲気がしっかり描かれていて、草野唯一の特技「調理」も見ていてヨダレが出る。
キャンプ好きな人、インドア派だけど気分だけ味わいたい人にオススメ。
④「善悪の屑」「外道の歌」
スピンオフ「園田の歌」
妻子を惨殺された過去をもつ主人公「鴨」とその仲間「虎」。
復讐代行屋として、法律で裁けない悪人を処刑し続ける。
現代の仕事人的な話だが、鴨も虎も心に抱えた苦悩が見ていて痛々しい。
「善悪の屑」の続きが「外道の歌」だ。読んでいてとにかく飽きさせない。
またスピンオフの主人公「園田」は本編で代行屋の2人と戦うことになるサイコパスの園田が主人公として描かれる。人を殺すことになんの躊躇も悪意もなく、ただ好奇心を満たすために「死を観察する」。
外道の歌が完結してしまったのがただただ悲しい。
⑤ベアゲルター
アフタヌーンで連載されていた「無限の住人」の作者である沙村広明の最新作。
「波よ聞いてくれ」も現在進行形だが、何回も読むと言う点で今作を選ぶ。
無限の住人でも、とにかく画力の高さが群を抜いていたが、今作「ベアゲルター」は更に上手い。
無限の住人がほとんどが男の剣士ばかりの戦い(槇絵は除く)だったのに対し、今作はとんでもない女性達の戦いである。
複数の勢力が絡み合う、違法産業の利権を中心に血で血を洗うド派手なバトルが展開される。
無限の住人が好きだった人はぜひ。
まだまだ面白い漫画はあるが、昨今の漫画は(私が老いたせいも多分にあるだろうが)一度読むと満足してしまう作品が多い中で「何度も読んでしまう」と言う条件の作品を今回は紹介してみた。
未読の方はぜひご覧いただきたい。