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#69 声にならない声を聴く 2022.3.10
同僚のMさんは、年齢が私より10歳上、オシャレで、面白く、明るい印象の女性です。
話しかけやすい雰囲気を持っていて、ひとりっ子の私としては、「こんな姉ちゃん、いたら良かったかも」と時々感じています。
そのMさんは、80代前半のご両親と三人で暮らしています。
最近、Mさんのお父さんが怪我をしてしまい、誰かの手を借りないと、自宅のお風呂に入れなくなってしまった。と話されていました。
「脳梗塞で入退院を繰り返して大変だったけど、さらに怪我とは…寝たきりにならないように、しっかりサポートしてあげなきゃ…」
『あぁぁ、大変ですね…』
「しかし、うちの弟の嫁、父さんのことを施設に入れてもいいのでは?とか、言ってくるんだよね…」
『そうなんですね…』
ここで私は、ハッ!と思って、完全聴き役モードに、スウィッチ・オンをしました。
そしてMさんは続けて、
「あの嫁は、他人だから全然わかっていない。私と、母さんは、父さんのことかわいそうだから、自宅で介護してあげたいのに」
『あぁぁ、そうですよね…』
私がスウィッチ・オンしたのは、以前Mさんが話をしていた内容と、今回の「弟の嫁」話の時のMさんの表情とに、大きなミスマッチを感じたためでした。
以前Mさんは、
「あー、もーやだ!入退院で色々大変なのに、さらにあのジジイと来たら…」
『ど、どうされたんですか?』
「とにかくワガママで。あれやってくれ、これやってくれ、といちいち私に言ってくる。仕事やっている方がまし!連休明け仕事に来るのが、ちょっと楽しみだったくらい!もーー、あのクソジジイ!」
『あぁ、そうなんですね、大変ですね…』
私も「弟の嫁」さん同様に、Mさんの大変さを感じていたので、お父さんの施設への入所を提案していたと思います。
しかし、Mさんの本心とは、ズレていました。
「傾聴のスキル」は、聴覚だけではなく、視覚も必要。
さらには、感じること、考えること、も必要。
「声にならない声」は、全部拾っていたらキリがなく、こちらの負担が大きくなりすぎるかもしれません。
しかし、これは!と感じる「声にならない声」は、しっかりと拾い上げ、寄り添うことが、非常に大切だと気がつきました。
特にリーダーにとっては、必須スキルですね。
よし!今日も五感をフルに使って!
無理をしすぎないように、頑張るぞ!!