理想のはかり
マイクロベーカリーを始めてからずっと探しているものがあります。
理想のスケール(はかり)です。
あくまでも個人的な見解ですが、スケールの種類は大きく3つに分けられると考えています。
0.01gを量れる微量計。~5kgくらいまで量れる中量計。5kg以上を量れる大量計。
微量計は大手通販サイトで1−2000円で納得のいくものが手に入り、大量計は6−8000円くらいで良いものが手に入ります。
僕はずっと理想の中量計を探しています。
大手通販サイトをここ数年チェックしていますが、中量計が最も種類が多くデザインも豊富で価格帯も様々です。
それなのに、なぜ理想的な商品が見つからないのか。
まず僕の考える理想のはかりに求める素質をいくつか説明したいと思います。
1.計量可能域
中量計は一般的なのが1gから3-5kgまでのタイプで、良い物だと0.1gから量れる物もあります。
理想は0.1gから5kgまで量れる物。それならあるでしょ?と言われそうですが、3つ程使用した自分の経験上0.1g単位の正確性に欠ける印象です。
具体的に言うと10gを量る際に、9gから少しずつ材料を入れているとき、9.2gで表示が止まったと思ったら、突然10gに変わったりすることがよく起きるのです。おまけ程度に0.1gをつけて、あくまで1gからがメインという感じなのでしょうか。
2.掃除のしやすさ
まずボタンのデザインについて、ボタン式かタッチ式か。これは両方とも一長一短で、ボタン式の欠点はホコリなどの汚れがボタンと本体の間に溜まります。この事実がわかっていて、ボタン式を選ぶことはまずありません。
しかしタッチ式も困ったもので、計測中に材料が落ちるとその材料に反応して0になっていたり、最悪の場合単位が変わっていたりします。
(過去にいつの間にかgからmlに変わっていて、全体量が微妙に変わってトラブったことがあります。そもそもmlではかる人はスケール使うのか?カップでしょ。もうちょっと言うと、いろんな単位が使えますって規格を変えずに世界中に売れるという販売者側の都合で、使用者側からすると全くの無意味。日本人はlbで量らないし、もし仮に必要だとしてもスマホで単位を検索してgに変換すれば良い。gだけにしてくれないかな…という心の声)
清掃しやすさで言えばタッチ式ですが、不満が残ります。
計量するものを置く皿の部分もフラットタイプと台タイプがあり、フラットタイプの方が掃除しやすくて良いです。
3.サイズ
例えば大きめの鍋で水を量りたい時、スケールのサイズが小さいと不安定で正確に量るのが難しい。かといって大きすぎても当然邪魔ですよね。できればコンパクトなものが良い。
これは用途によって異なりますが、個人的には中量計は皿の一辺の長さが15cmくらいが理想だと考えています。
4.バッテリー
電池式が一般的ですが、今はUSB充電式も出ています。電池はキッチンに置いておくのも、使用済みを処分するのも面倒なのでUSB充電式が理想ですね。
5.表示スピード
一般の方にはあまり関係ないかもしれないですが、計量だけを数時間し続ける仕事をしている人にとってはとても重要な問題です。表示が早いだけでスムーズに仕事が進み、ストレスも軽減されます。
前向きな気持ちで働けた方が、良いものが出来上がると思っています。小さいストレスを排除していくことはとても重要。
6.価格
スケールは消耗品なので出来ればあまりお金はかけたくありません。3000円くらいまでに抑えたいですが、正確に量れる保証があるのであれば、もう少し投資しても良いとは思っています。
7.生産国
僕はAmazonに多数存在する、隣国産の商品で失敗したことが何回かあります。もちろん隣国でも素晴らしい商品を作っている会社も知っていますし、実際に使用している物もあります。
しかし、比較的安価な商品は失敗する可能性が高いのは事実なので、出来れば日本のメーカーや販売元がしっかり確認出来る会社の商品を買いたいです。
色々書いてきましたが、まとめるとこうなります。
日本のメーカーの3000円前後でUSB充電ができ、極力凸凹などが無くて掃除しやすく表示が素早い。さらに台の一辺が15cm前後で0.1gから最大5kgまで量れるg表示のみのスケール
ここでふと思ったことがあります。0.1gから5kgまで量れると言うことは、微量計と中量計を兼ね備えていると言うこと。つまり、ボクシングで言えばフライ級でもライト級でも活躍しろと言っているようなもので、ちょっと無理があるのではないか。己の欲深さよ。。
当然はかりの製造についての知識など一切ないので推測になりますが、微量と中量を兼ね備えて正確に量れるはかりを作るのは相当なコストがかかるのではないか?そんな高いはかりを求めている人はほとんどいない。だから存在しないんじゃないか?
そうゆうことなら0.1g単位は微量計に任せればいいじゃないか。もし誰かが2000gの小麦粉を2000.8gで作ってしまったパンを持ってきたとしても、僕には絶対に区別ができない。そんな誰にもわからないことに拘る必要はないのでは?1g単位で十分でしょう。
そもそも5kgまでというのも幅がありすぎるのではないか?冷静に考えると、2Lペットボトル2本と1L1本を一辺15cmの長さの正方形に載せてバランスをとりながら正確に量るなんて、相当難しいだろう。重さが増えるなら、それ相応の皿の大きさが必要になるはず。
仮に4.8kgの小麦粉を量るとします。まず4.8kgの粉が入る容器を用意する。僕が使うのは24cm x 33cmのタッパー。15cm x 15cmの台に載せて粉を入れますが、4.8kgも入れたらだいぶ不安定になるので正確に量れているか不安です。これだったら最初からmax3kgで2回に分けて計量した方が正確かもしれないです。
実は、台のサイズがもっと大きくて安定する大量計にしようかとも考えました。しかし大量計の問題は2gごとや5gごとでの表示になり、少し正確さに欠けてしまいます。数十キロという粉を扱うお店には良いですが、僕のような少量生産の場合は不向きです。
つまりMax3kgで十分だという結論に達しました。こうなれば選択肢は大きく広がります。
先ほどの理想を修正すると
日本のメーカーの3000円前後でUSB充電ができ、極力凸凹などが無くて掃除しやすく表示が素早い、さらに台の一辺が15cm前後で0.1gから最大5kg → 1gから3kgまで量れるg表示のみのスケール
となります。
この基準に当てはまるスケールを2つピックアップしてみました。
※僕は家電アドバイザーではありません。主観的に良さそうな商品をピックアップしているだけなので、商品の購入はあくまでも自己判断でお願いします。
1.タニタ クッキングスケール
計量可能域:微量モードで0.1g/0.5g 通常モードで1g
掃除のしやすさ:皿部分が気になるが、ボタンはフラットタイプ
サイズ:皿部分は14.8cm x 14.8cm
バッテリー:電池式
表示スピード:不明
価格:約4400円
生産国:日本のメーカー
電池式で予算も少しオーバーするが、かなり理想に近いものです。皿の部分がフラットタイプだったらと悔やまれるが、替え時が来たら使ってみたいと思います。
2.dretec Boulanger
計量可能域:0.3~300g以下0.1g / 300g〜1500g以下0.5g / 1500g〜3000g以下1g
掃除のしやすさ:皿部分が気になるが、ボタンはフラットタイプ
サイズ:皿部分は13cm x 13cm
バッテリー:電池式
表示スピード:不明
価格:約3300円
生産国:日本のメーカー
こちらも電池式で皿が少し小さい。この商品はおそらく隙間のないボタン式で、これが僕の中で理想のボタン。全てのはかりはこれにすればいいと思っています。価格もお手頃。
今回この記事を書くにあたって通販サイト上でさまざまなはかりを調べましたが、残念ながら理想のはかりは見つかりませんでした。
コーヒー人気の影響からか、スケールのサイズが12cm前後の小さめで0.1gから3kgくらいまで、さらに秒数カウント機能付きが多い印象でした。多機能でコンパクトなものがトレンドなのではないかと思われます。コーヒー好きの方や、家庭用での使用でしたら選択肢としてかなりありだと思いますが、業務用となるとどうしても皿のサイズが気になってしまいます。
僕の経験上の話になりますが、料理人目線のはかりって案外ないのでは?と思っています。プロが家庭用のはかりを使用しているケースしか見たことがない気がします。
もし計量器メーカーの方がこの記事を読まれていらしたら、喜んで開発協力させていただきますのでいつでもご連絡ください^^