ジュード・ロウに号泣-映画『ホリデイ』
今までに一番泣いた映画といえば『さらば、わが愛~覇王別姫』ですが、今までに一番 "アホな理由で" 泣いた映画はキャメロン・ディアス主演『ホリデイ』に間違いありません。
『ホリデイ』とは?
キャメロン・ディアス、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレット、ジャック・ブラックらが競演するロマンティック・コメディ。ハリウッドで映画予告編製作会社を経営するアマンダと、ロンドンで新聞社に勤めるアイリス。それぞれ失恋したばかりの2人は、お互いの家や車を交換して休暇を過ごす“ホーム・エクスチェンジ”をすることによって、人生の新たな一歩を踏み出していく。監督は「恋愛適齢期」のナンシー・メイヤーズ。(映画.comより)
……という、パンパカパーン☆なステキ感動映画で、俳優陣も脚本も素晴らしく、特にケイト・ウィンスレットが出会う老人とのエピソードは胸アツで、この映画最大の泣き所でしょうか。
だけど、そんなとこじゃなくて。
全然そんなところじゃなくて、およそアホ過ぎる理由で私が大号泣してしまったのが、まだまだ全然冒頭の、キャメロンが初対面のジュード・ロウといい感じになって一夜を共にしちゃった翌朝、キッチンにいるキャメロンにジュード・ロウがあれこれ話し掛けるんだけど……、
そのジュード・ロウがたまらんのだった。
上下のまつ毛"ぱっちりんこ"のジュード・ロウが、エメラルドグリーン色の瞳でキャメロンを見つめるまなざしたるや! なんとも優しげで、熱っぽくって、下衆くキャメロンをただの一夜だけの相手としてじゃなくて「一人の魅力的な女性に出会っちゃったオレ」が、その恋心に浮かれ!高まり!舞い上がり! はやる気持ちをおさえながらも、誠実な瞳とフェロモンで彼女をロックオン!
あゝジュード・ロウ! いいな、ジュード・ロウ! 私も……あんな風に……ジュードに見つめられたなら……!
だって私、あんな風に男性に見つめられたこと、ない!!!!!
いや、あるか!? 昔付き合いたての彼と居酒屋で呑んでた時に「早く家に帰ってイチャイチャしたい」と私の顔を覗き込んできた彼の目もジュード・ロウに近かった? いや、でもアレはただのエロい目だ。朝ジュードのロウ's eye はもっと全然、「恋」そのものの高揚感を語るキッラキラなまなざしだった。……そんなのは、今まで確実に、ない!
なーんーでーなーのーーー!!!涙涙涙
と、いつの間にかボロボロと涙がこぼれて、号泣しちゃうんですよねこの映画。 まだ全然、序盤なのに。製作側の狙いどころ、絶対そこじゃないのに。
そんな、誰も意図してないところで勝手に感極まりまくり、「私だって男性にあんな風に見つめられてみたい……ジュードよ、こっちを、キャメロンではなくこっちを見てくれえぇい。スクリーン越しにでも私をーーー!」と肩をうち震わせ泣いている多感めな女が一人、映画館の暗がりで客席シートに深くふかく沈んでいたことは誰も知る由あるまい。……な作品なのでした。
こんな泣ける映画、そうないです。
〈画像:©2006 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.〉