中東カタールの放送局、Aljazeera のウェブサイトで、2024年9月10日に配信された記事の見出しで使われていました。
◾️'curfew'を辞書で引くと
小学館 プログレッシブ英和中辞典(goo辞書)の記載は…
この文脈(暴力激化抑制)では、
最初に書かれた「(戒厳令下での)夜間外出禁止令」
の意味でしょう。
語源に言及がありますが、これでは分かりにくいので、いつものように語源辞典で深掘りしてみましょう。
つまり、
フランス語起源で、
cur(=cover)+few(=fire)で「火を覆え」から、
→就寝時間→門限→夜間外出禁止令 へと展開した語、ということでした。
これなら、なんとか頭の中でつながります。
1800年代までには、夜間外出禁止令が出されていたこともわかりました。
なお、inposeは、高校で出てくるレベルの単語です。
簡単に言えば、
im(=in,upon:〜の中に、〜の上に)+pose(=place:置く)で「負担を人の上に載せる、負わす」という語です。
◾️インド・マニプル州での加熱する暴力とは?
インド・マニプル州は、この記事のタイトルに示した赤い部分にある州です。
Wikipediaの解説を引用します。
・ミャンマー近くという「インドの極東」という位置、インパール作戦の地
・インドからの独立を目指すグループの存在
・山岳地帯
・多数派メイテイ族vs他の少数民族の対立
…がキーワードになりそうです。
記事の概要は…
つまり、
多数派の民族が持つ特権(経済的利益・政府の仕事・教育の枠)に対して他の少数民族が暴力的に反抗、その暴力を抑えられない政府に対して抗議を行っていた学生が暴力化してしまった、という状況でした。
外出禁止令にもかかわらず多数派民族への武力攻撃もあったということなので、政府の力では抑えきれていないのが現状のようです。
ヒンズー化を強力に押し進めようとするモディ首相に対して他の民族の人々が感じる反感が高まっているという内容の報道を読んだことがあります。
中央政府から地理的に離れ、さらに、山岳地帯であるために多様な民族が存在するこの地域では、不安定になっている情勢を抑えるのが難しいのだと考えられます。
西側とも中国やロシアを含む新興国ともうまくやっているイメージを持っていたモディ首相ですが、広大で多民族のインドをうまく治めるのは簡単ではないようです。