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地域活動を学ぶ連続講座@吹田 第3回「居場所づくりの現場を見てみよう」

◾️今回の概要

大阪府吹田市立市民公益活動センター愛称「ラコルタ」が開講している連続講座『eNカレッジすいた』の第3回に参加してきました。

今回のテーマは、「居場所づくりの現場を見てみよう」。

次の3つの見学先を準備してくださり、1つを選んで参加する形式でした。
・千里ヒトハコラボ(豊中市新千里南町・みんなでつくる図書館"みんとしょ”)
・ハッピー食堂あいのわ(吹田市内本町・3世代交流食堂)
・南正雀まるっと。(吹田市南正雀・世代間の交流ができるサロン)

私は《千里ヒトハコラボ》を選び、9月29日(日)に見学させていただきました。

本棚オーナー制度というアイデアが、どのように居場所として機能するのか、また財政はどのように成り立っているのかに興味があったからです。

教えていただいた内容を私の感想を交えながら紹介します。
よろしければ、お付き合いください。



◾️この3,4年で急拡大! ー "みんとしょ" とは?

今回の見学に向けての下調べで初めて”みんとしょ”というものを知りました。
現在全国で90か所近くが「みんとしょネットワーク」に登録されています。

それぞれバリエーションはあるものの、共通するのは次の点です。

・本の貸し出しを行っていること
・一箱本棚オーナー制度を導入していること
・政治活動、宗教活動、投資、マルチ商法等の勧誘行為を目的としていないこと

一箱本棚オーナー制度
みんとしょに自分だけの本棚を持つことができるオーナー制度です。一箱本棚には本棚オーナーが選書した本が置かれ、利用者は自由に借りることができます。本棚オーナーは、月額のオーナー料を支払うことでなることができます。

みんとしょネットワークへの参加条件
https://sancacu.org/kaisetsu

2020年3月に焼津市で開館した「みんなの図書館さんかく」が第1号です。
運営者による詳しい説明がnoteにありました。↓


◾️今回見学した「千里ヒトハコラボ」の概要

  • 2024年9月に開館

  • 場所は、昭和44(1969)年に開業した新千里南町近隣センターの2階

  • みんとしょ・カフェ・ミーティングプレイス(市民活動のつどいの場)を開設

  • 公募型プロポーザル方式の民間による近隣センター活性化事業として採用

  • 敷金・改装費・共益費・光熱水費・減額された家賃の支払いが必要

  • みんとしょ・カフェ・ミーティングプレイス(市民活動のつどいの場)を開設

  • 1棚1ヶ月2000円で本棚のオーナーになれる

  • オーナーは店番をできる。また、店番の時間にワークショップやチャレンジショップを行ってもよい

  • オンラインカレンダーで可能な日時を入力して調整

  • 最初に料金500円を支払えば、カードを作成してもらい、本を借り出せる。

参考資料↓

◾️地域イベントの運営メンバー有志4人で常設の交流スペースの開設を決意! ー 立ち上げの経緯

2008年、建築事務所を営む北村 拓さんが、桃山台駅前が暗いのはさみしいと感じて個人的にイベント「MOMOキャンドルナイト」を企画・実施
→2012年、行政から声がかかり千里ニュータウン50周年イベントとして「千里キャンドルロード」を運営
→これに続き、2017年、「ウォーターバトル」や「せんちゅう芝生ナイトシアター」を運営など、地域イベントの運営に携わる
→地域イベントの運営に携わる有志メンバー3人と、「常設の交流の場を作ろう」と決意
→立地や家賃を考えて場所探しを開始。同時にどのような「しかけ」がうまく交流を作り出せるかのアイデア探しもスタート
→4人で資金を出し合うことにし、研究を重ね、公募型プロポーザルに応募し採択される

◾️"みんとしょ"の良さ ー 本の貸し出しが目的ではない

運営者としての魅力は…
「知り合いがたくさんできたのが一番。」

利用者としての魅力はたぶん…
「自分の本が借りられたら単純にうれしい。
「読んだ人から感想のメモをもらったり店番をしている時に話したり交流ができるのも楽しい。」
「オーナーになれば、利用者からプレーヤーになれる。店番だけでなく、発信やテスト販売などを企画し実行することもできる。」

◾️運営上の工夫 ー システムがうまく回るしくみがある

店番の当番が入りやすいように…
・Googleカレンダーを共有して可能な時間を入力する。短時間でもいいし、重なってもいいし、都合が悪くなればキャンセルも自由。そのために、利用者には当番表を確認してから来室してもらうようにしている。

財政運営が行き詰まらないように…
・初期費用を立ち上げメンバーが自分たちでまかなうことになるのは覚悟の上だが、棚の利用料が継続的に入って来るのが大きい。60棚オーナーがつけば、毎月12万円の収入となる。
・たとえば、豊岡市にある「だいかい文庫」は、2階を拡張工事中。知っている人が広がれば、需要は期待できる活動だ。現在

積極的な人のつながりが広がるように…
・棚オーナーの交流会を月に1回のペースで開く。


◾️私の振り返り ー 私の居場所の理想型では?

・月2000円で、自由に店番ができ(=自分の居場所と存在意義です)、他のオーナーや利用者と棚に置いた本をきっかけに話ができ、やろうと思えばミニワークショップを開けるのは、安い!
全国で広がっているのがうなずけます。うちから遠くなければ私もすぐに申し込むのですが、自転車で25分…検討中です。

・「本を見に来ました」という理由があると、その場所に入りやすい!
知り合いがいなくても立ち寄れるし、知り合いができやすい。用もないのに「出会いルーム?」には入りづらいです。本屋の店員さんや図書館の係員さんと交流は難しいです。

・「楽しいから、酒代・宴会費用と思って」資金を出し合ってこの場を作った北村さんたちはすごい!
「自分たちは社会のためのボランティア活動とは思っていない。楽しいからに尽きる」と話されていましたが、その行動力と同じ思いを共有する仲間がおられたからこそ実現できたものと思います。

・「不利用公共施設」「空き店舗」の活用事例として今後有望!
うまく機能する居場所としての要素がたくさんありました。

見学させていただいてよかったです!

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