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「RRR」見に行ったのでナポリの男たちの感想と共に振り返る(超ネタバレ)

毎週土曜日、ニコニコチャンネルで放送されているナポリの男たちの放送の282回が、次の日の日曜日に延期して急遽「RRR」の感想会をやることになった。

RRR、まだ見に行っていなかったのがこの放送の告知で一気に気になって、そしてたまたま先日見に行ける機会を得たので、放送を聞くのはあとのお楽しみに取っておいて映画を見に行ってきました。
結果としてものすごく楽しくて、その直後に放送のアーカイブを聞いてさらに楽しくなったので、ナポリの男たちの放送で語っていた感想と共に自分の感想も残しておこうと思います。

ちなみに私は当初この映画を見に行く予定が一切なく、「インド映画で踊りがあって超テンションが上がる」以外の情報を一切入手しておらず、上のサムネのキービジュアルもあんまり記憶として残っていなかった(当日映画館に行っても公開から1ヶ月経っているからかポスターが見つけられなかった)ので、マジで上映中にこのサムネの格好のラーマを初見で見たという稀有な存在になってしまい「すげーイメチェンしてる?!?!何これかっこいい!!」となりました。事前情報一切入れないの、マジで楽しいです。

以下、思いつくままに綴っていきます。

ナートゥをご存知か?

1億回再生ってヤバくないか?

hacchi「セロトニンが出た、テストテロンが出た」
といってましたがマジでそんな感じでテンション上がった。RRRといえばこのシーン。インド映画に欠かせない(らしい)ダンス。めちゃくちゃ楽しかったー。イヤミな英国紳士が嫌がらせでわざとビームに足引っ掛けて転ばせて「卑しいインド人はサルサもフラメンコも知らんだろう?」て感じでころんだビームの前でステップを踏んでみせるんだけど、そこにラーマが来て「サルサでもフラメンコでもない…ナートゥをご存知か?」といってダンスが始まる。
蘭たんも「前後の流れもめちゃくちゃいいんよな」と言っていたけど、英国紳士がビームにイヤミを言ってる間、パーティーのバンドでドラムを叩いていた黒人男性が苦い表情になる。ビームが転ばされたときに給仕にぶつかってしまい運んでいた飲み物が女性にかかってしまい、その間銀のお盆がスローで宙を舞い続けるシーンがちょくちょく合間に挟まれ、地面に落ちて跳ね返って黒人男性のドラムの上に落ち、それをシンバル代わりにラーマが叩いて場の空気を一瞬で変える…からのナートゥをご存知か?なんだけどカッコ良すぎるだろ。
最終的にダンスバトルみたいになっていって(最後まで二人について行ったイヤミな英国紳士頑張ったな…)周りの女性がラーマを応援してるけどジェニーだけはビームを応援してて、それに気づいたっぽいラーマ、あそこでわざと先に折れてあげたんかな?そして男たちも言ってたけどここで出てきたイヤミな英国紳士、こっから一切出てこないの勿体なかっだよな…
男たちもこの映画ジョジョっぽいって言ってたけど、ナートゥの冒頭で本当にビームがジョルノみたいなポーズ取るので動画見てほしいです。その後の二人がアップでウインクするとこも…オイオイ陽気なインド人はウインクが似合うな~~~~おい~~~!!!!

ビームがラーマを背負って戦う姿が破壊神シヴァそのもの

これすぎるに言われて気付きました。そうじゃんそうじゃん~~~~!!
二人が出会って仲良くなっていくシーンでビームがラーマを肩車して筋トレしてるシーンの伏線ここにつながるのか~と関心もしました。

英国とインド、植民地時代の根深い歴史

前述の通り事前情報ゼロで見に行ったので、植民地時代の話だということも知りませんでした。ラストの「大英帝国は沈まない」と書いてあるエンブレムに血しぶきが飛ぶところに笑ってしまったすぎるにサイコパスみと教養の両方を感じました。
エンディングで出てきたイラスト、全部「誰ぇ?!」と思ったしガンジーしかわからんって男たちも言ってたし私も思ったけどそもそもあれもガンジーじゃなかったらしい。(シヴィライゼーションみたいな絵っていう表現が的確すぎて笑った)
ラーマとビームは実在のインドの革命家がモデルにいるそうで、ラーマの元ネタの人を調べたらマジで最後らへんに出てきたラーマの姿そのもの(長髪に上半身裸でオレンジの衣を纏って弓矢を持っている)でスゴ!てなりました。あれは神話のラーマ王子でもあり実在の革命家ラーマの姿でもあったんだなあ

作中で「ラーマ王子とシータ姫だな」て言われてたのもそういうおとぎ話がインドにはあるんですね

最終的に神格化して見た目ごとラーマ王子になったのかっこよかったよな…武器も弓になって…「銃が上手い猫写はあったけど弓も上手すぎ」という感想にhacchiが「神像の弓矢を持っていった時点で能力もラーマに移ったんでしょう」ていう解釈してたのよかった。たぶんそうなんだろう(強引)
とにかく大英帝国がこれでもかというぐらい悪役に描かれていて、それを慈悲なく全員命を奪っていく勧善懲悪が気持ちよかったです。
男たちは「最後ラーマが超イメチェンして村に帰ってきて村の人はどう思ったんだろ」て言ってましたが、必ず村に武器を持って帰ってくるって言って単身出ていった男がちゃんと武器を持って帰ってきた姿が神の化身の姿で戻ってきたらテンション上がるんじゃないかな?日本で言ったら「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし」て感じなんじゃないでしょうか。
「ラーマはラグ家の末裔 戦の英雄 王威を放つ者」「ビーマは強靭な戦士 脅威の跳躍で敵を叩く」を「スパロボの歌っぽい」と例えるのはなんかワロタ (わからんでもないだけに)

ほぼすべてのシーンでジョジョ並に怪我の回復量が高い

これ本当に笑ったけど「これはフィクションだから」「というかインド映画だから」と思うことにした。ご都合ご都合!
「ビームの傷薬がすごい」「ビームのヒーラーとしての能力が高すぎる」はマジでそれ。イギリス人でも解毒できなくて1日(1時間だっけ?)で死に至る猛毒じゃなかったの?!という蛇の毒をその辺の草摘んで超回復させるのがすごい。でもここのシーン、「あの傷薬はビームの一族秘伝の薬で、ビームの仲間が負わせたキズだからビームには治せた」というのはなるほどなー!!てなりました。
あの熱した石炭も何だったんだろ…

モブの数が多すぎ

ラーマの故郷でシータが出てくるシーン、こんなにエキストラいなくていいやろは確かに思った。冒頭の暴動シーンも早速人多すぎィ!さすがにCGですよね?インドの人口の多さを表してるのか?ぐらいとにかく人が多い!

パーティーに招待されたのでラーマがビームの身だしなみを整えてくれる→若干ヒゲが薄くなっただけのビーム

ラーマが身だしなみを整えてくれるって言うからどれぐらい小綺麗になるのかなって思ったんだけど服装以外あまり変わってなくて草
ていうかマジでインド人ヒゲすごいよな…ヒゲ脱毛とかもっての外なんだろうな…プリングルスみたいなヒゲで軍服着た警察官ラーマかっこいいんだよな
ラーマはスラッとしていて洗練された都会のインテリっぽくて、ビームは重量系で素朴な田舎者っぽい対比もいいよね…
それでいてバイクに乗るのはビームで馬に乗るのがラーマなのもいい!馬に乗るのカッコ良すぎる!ズルイ!

宿敵のパーティーに猛獣を乱入させて大乱闘を繰り広げるビーム

ここ本当にテンション上がった!ていうか最初らへんで猛獣を捕まえてたのってこのためだったのか!
あそこ最初まじで意味わからなくて、木に登って合図してる人らは仲間っぽいのにビームは血を被って獣に追いかけられてるし…どういう状況?ビームは罪人なのかな?と最初思ってた。捕まえたトラに許しを請うていた意味もこのためだったんだな。連れてきたはいいけど調教できているわけではないから普通にビームも襲われているけど…w
街ででっかい生肉背負ってたのも捕まえた猛獣の餌だったんだなっていうのまでここでわかってスッキリしまくるシーン。

何も罪は犯していない!と言い張るビーム

天然サイコパス呼ばわりは草
いやでも実際マッリを救うというのを免罪符に結構めちゃくちゃしてるよ マッリをさらった英国が悪いのであって俺たちは何も悪いことはしてない!てことなんだろうけど…

松明を武器にするラーマに対してホースで応戦するビーム

ホースはダサいだろっていっても実際のところ炎は武器として映えるけど水を武器にしようとすると映えるように演出するのムズいよね いや私はこのシーンめっちゃ熱くてかっこいいと思いましたが…!終盤水から出てくるビームのシーンもかっこいいだろうが!水パはいつだって不遇
てかクールなラーマのイメージモチーフが炎で熱い男ビームのモチーフが水なの良いよね…良い…

二人の出会いの少年を助けたシーン

shu3「コナン映画をずっとやってるみたい」本当にそれ。なのですっと楽しい。ここも炎と水が象徴的に出てくるんだよね。これは私のフェチ的感想ですがこのシーンのラーマの足のポージングがかっこいいです。と言うかラーマは足がずっとかっこいいです。

独房で地面を叩いて居場所を見つけるシーン

あれあそこまではスニーキングミッションかと思ったら力技で檻をぶち開けるし開けるとき大声出してるので草 アニキに会えたから隠密行動はもうしなくていいんか

飯のシーンでほんとに右手で食ってた

左手で食べてたしなめられるビームを見てた眼差しは弟に重ねてたんだなってあとから回想でわかるのエモ…

「歌で人の心は変えられる」なんだったのあれ

hacchi「結局武力じゃねーか」
蘭たん「インド映画らしく歌で民衆の心を変えて大革命みたいなの起こすのかと思ったら二人がランボーするだけだった」
うん…w
でも私達が見たいのはド派手な勧善懲悪アクションなので良し!!
まあ「武力だけが解決法じゃない」とラーマに気づかせるシーンだったんだろうから大事なんじゃないかな…あの時はっきり自分が進むべき道が見えた感じの表情だったし
というか私はてっきりあそこでビームを処刑しちゃうんだと思ってたんだけど見せしめに痛めつけるだけだったんだな…?総督の嫁が絵に描いたような悪女でスゲーなと思った。ダメ押しでトゲつき鞭をよこしてくると思わないじゃんね…
すぎるが「ジェニーはビームの何を気に入ってん」といってたのは本当にそう…と思うけど、普段から身内がインド人にひどい差別と虐待を行っていることにうんざりしてたんだろうなというのは少なからず思うよね

他にも細々と男たちが感想を言っていましたがこのぐらいで。
ここからは男たちが語らなくて私が面白かったな~と思ったシーンなどなどです。

全体的に大味でド派手でテンションだけで突っ走ってるけど、細やかな感情表現もあってすごい

この映画、しょっちゅう主人公ふたりの顔が超ドアップで映されてそのたびに「あっちの人の目ヂカラがヤベエ!」と思ってしまってその事に気を取られがちなんですが、例えばちょっと明確にどのシーンか忘れてしまって申し訳ないんですが、ラーマの頭から流れる血がラーマの眼球に入って、そのまま涙のようにこぼれ落ちるシーンがめちゃくちゃ印象的だったんですね。「うお~これは友であるビームを大義のためとはいえ懲らしめなければならないラーマの心の血涙…」とか勝手に脳内で盛り上がっていました。
というか「お互い本当は敵対しているのに素性を知らないまま出会ってしまい意気投合するバディ」とか面白いに決まってるんですよ!!いつ二人が本当は敵同士の立場なのがバレるのかってヒヤヒヤして見てたし(似顔絵を見せようとするシーンマジでヒヤッとした)ビームの決戦前夜に毒にかかって朦朧とするラーマに真実を伝えて去っていくビーム、それを告げられて慟哭するラーマ…
その後イギリスの警察官としてラーマの前に現れるシーンもいい、なんとか言ってくれ!俺の目を見て話してくれ兄貴!と何度諭そうとしてもこのときラーマはずっと目を合わそうとしないんですよね。見れないんですよね、実質裏切ることになってしまったビームのことを…あ~~~~!ここがほんとうによくって!!見れないよなあ!!その後の相棒だった者たちのバトル含めてアツすぎ!
拷問のシーンもラーマ側からしたら「これ以上傷つくお前を見たくないし傷つけたくないから早く膝をついて許しを請うてくれ」と思っているわけだけど、ビームは誇り高い戦士だから決して膝をつくことはしない。心打たれるよね…
最初「なんでラーマはインド人なのにこんなに大英帝国の犬やってんだろ、こんなに忠誠心を示して昇進したい理由は何なんだろ」と思ってたけど、その理由がわかった過去編も胸熱だった。
今回はヒロインたちの影が薄かったとか言われてるみたいだけどヒロインたちも強くてよかったよ!物理的に戦いに参加してるわけじゃないけど、逃亡中のビーム達をとっさにかばったシータはかっこよかったし、周りのイギリス人たちに流されずビームを「友達」として扱ってくれたジェニーもかっこよかった。
田舎育ちで奥手なビームの恋の手助けをするラーマも兄貴~!て感じでニヤニヤした。弟分のために一肌脱いじゃいますか!て感じが(やることは道路にかっぱらった釘まいてタイヤパンクさせたりとかだけど…)

ていうかビームがラーマに真実を告げた時、おそらく二度とラーマに会えない覚悟をしているので「兄貴との日々は俺の宝だ」て言ってラーマの元を去っていくんですよね。そんな事言われたらウオオオ~~~~ってなるわ(毒食らって丸一日安静のはずなのに壁壊すしヤバすぎだろと思ったけど)

↑これがビームの言う「兄貴との日々は俺の宝」です。いや~~~~こんなん…尊いだろうが…!!!!!街を歩きながらお互い違う方向を向いて二人の間に有刺鉄線の柵があるシーン、こう…なんか…二人の交わらぬ道の表現が…上手すぎて…おののく…マジで…ダイナミックアクション以外のこういうとこも…すごいので…マジで…

多分思い出せてなくて書ききれてないこともあると思うんですけどこの辺で。
ここまで長文を読んでまだこの映画を見てないって人はいないと思うんですけど、見てない人はこんなの読んでないで早く映画を見に行くんだ!早く!!!!お願いします!!!!!


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