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自分のための素直さ

素直で正直が一番と、聞いたり、言われたことがありますよね。

その意味を知るまで、あまりピンときていませんでした。

なぜかいつも、素直になるのが恥ずかしくて。

ごめんなさい、ありがとう、これがなかなか言えなかったんです。

誰に言えなかったのかというと、母にです。

他人には照れずに言えるのに、身近な人には言えない言葉。

母親って一番身近で、たくさんお世話になっているはずなのに、素直な言葉を伝えるのが難しいんですよね。

まるで、照れくささの幕の裏側に隠れて、もどかしさに耐えている感じ。

でも、ある日ふと考えてみたんです。

いつかその「ありがとう」を伝える日が来るのだろうかって。

今この瞬間にだって言えるのに、なぜかその言葉を出し渋っている自分がいる。

こんなふうに感じたこと、ありませんか?

実際には、素直でいることが一番「楽」なんですよね。

胸につかえているその塊って、素直になれない意地っ張りな自分なのかもしれませんね。

そうなんです、素直でいることは、本当は生き方を軽くして、楽にしてくれるものなのに、なぜか自分でブレーキをかけてしまうんです。

自分の中にある「言いたいけど言えない気持ち」が、少しずつ積もって、だんだん大きくなって、重たくなってしまう。

気づけば、母への、些細な「ありがとう」や「ごめんね」が、まるで一歩踏み出す勇気を試されているように感じる瞬間さえありました。

結局、素直でいることは相手のためじゃなく、自分自身を解放すること。

自分のための素直さなんです。

相手に伝えたい気持ちがあるのに、言葉が滞る。

プライドやいろんな感情が重なって、出しにくくなっていたのかもしれません。

そんな未熟な自分をとことん受け入れることで、自然に幕が開いたようです。

母への「ありがとう」や「ごめんね」も、無理に絞り出すのではなく、自分の中でしっかり感じ取れるようになってからは、自然と口に出せるようになりました。

その想いや言葉と一緒に、自分も癒されていることに気づきます。

「ずっと言えなくて、つらかったよね」と自分に語りかけ、自分自身を大切にできることが、今、私の喜びなんです。


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