『日本改造計画』の時代
小沢一郎の著書に『日本改造計画』といいベストセラーがある。自民党時代に若くして幹事長となり将来の総理候補と目されていた頃、財務省の香川俊介氏を中心として産官学のプロジェクト形式で取りまとめた日本の大戦略である。
このプロジェクトにも関わった北岡伸一氏が中央公論2023年4〜5月号で当時の話を回顧している。
小沢一郎氏はこの本に書いてある通りには政策を進めなかったので多くの人に失望を買ったが、『日本改造計画』に書いている方向性は現在の日本の政策方向と一致している。
労働時間を短縮すること、女性の活用、終身雇用からの脱却などが盛り込まれている。小選挙区制、消費税10%という話は実現されてもいる。
アメリカが一強だった時代でアメリカの権力を制御しつつアメリカの力を最大限利用するという国連中心主義などは今から見ると青臭い感じはするが。
日本の大戦略を考える上で今読み返してみるのも意味があるのではないだろうか。この中央公論のバックナンバーは幸いKindleUnlimitedで読める。