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camomile358
E.M.フォースターの愉楽
E.M.フォースターという小説家がいる。戦前、ケインズやヴァージニア・ウルフらと知識人サークルを形成し、傑作小説を残した人だ。英国の階級社会、性別の壁みたいな問題を特に描いたとも評される。
その小説が面白いのだ。まさに小説の愉楽である。
僕は『ハワーズ・エンド』『眺めのいい部屋』『インドへの道』『天使も踏むを恐れるところ』を英語と日本語翻訳本を対照させながら読んだ。
2つの点でE.M.フォースターの作品は卓越している。一つ目は美文家であること。大変美しい英文なのだ。もう一つは急転直下するストーリーの面白さ、この点はまあ捉えようによってはデウス・エクス・マキナなのだが。
つまり文章そのものを鑑賞できるということとストーリーを楽しめるという2つを兼ね備えた作品群なのだ。
是非楽しんでいただきたい。