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息子をスパイス慣れさせるために海老と鱈のカレーを作ってみた

前回はスパイスビギナーの息子のために、なるべく食べやすいようにと鶏肉のスープカレーを作った。

でもそれだけでは面白くないので、もう一品「これは露骨なスパイス料理」という物を作ってやろうと思った次第でござる。

という訳で、今回は『海老と鱈のカレー』のレシピをご紹介いたす。

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まずは適当にみじん切りにした玉ねぎと、ニンニクと生姜のすり下ろしを用意する。分量は生姜はお好み、玉ねぎは大なら1個、中なら1.5個といったところ。

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鱈は事前に塩を振って水を出し、キッチンペーパーなどで優しく拭き取っておく(塩鱈の場合はそのままでもOK)。これをやっておかないと臭みが残るかもしれないので注意。

胡椒を振って、小麦粉を薄くまとわせる。

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海老は水で洗った後に殻を剥くのだが、剥いた殻は絶対に捨てないように。こいつで香り油を作るので、ペーパーで丁寧に水分を取っておこう。

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海老の実の方は背わたを取り、念のためこの状態でも軽く洗っておく(水道水でワシャワシャすればOK)。

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フライパンか鍋にたっぷり(50ccくらい)油を入れ、火を付ける前に海老の殻を入れて弱火にかける。炒めるというより油で煮出す感じ。熱い油の中にびしょ濡れの殻をぶち込むと惨劇が起きるので気を付けてね。

殻がカリッカリになって、海老の香りが立ってくるまでじっくりと煮出す。

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ほーら見てごらん、単なるサラダ油だったのにこんな色になった。
この後の工程は、この油で調理します。

もし我が家のような賞味期限ギリギリで50%OFFなんて安物(上の写真の量で250円!) ではなく、ご立派な有頭海老を使う場合、殻だけではなく頭も入れて、油の中でヘラで潰すなどして、味噌も油に混ぜ込んでしまうべき。

ただし、その場合はその後の調理で焦げ付く可能性が高まるので、油を取ったら必ず "こす" こと。

風味の強烈さを求めるなら断然有頭海老を使った方がいいです。

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ちなみに、海老には予めターメリックやコリアンダーといったパウダースパイスを振りかけて揉み込んでおきます。ここは面倒なら省いてもいいと思うけど、気持ちの問題です。

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これが海老と鱈のカレーに使うスパイス。

<パウダー>
ターメリック 小さじ1
コリアンダー (粉にした時に)小さじ1
ヒング 耳かき1杯

<ホール>
クローブ 4本
クミン 小さじ1程度
マスタードシード 小さじ1程度
カスリメティ ひとつかみ

この内、今回一番香りを立たせたいのは、カスリメティとクローブです。なので、他のスパイスはちょっと少なめにしておく。

<香りの考え方>
大事な話なので長くなるよ。

「何の香りを立たせたいか」というのが、スパイス料理の一番の悩みどころだと思う。悩んだ末にあれもこれもと種類を使いがちだけど、実はそれをやると各スパイスの特徴的な香りが綺麗なグラデーションになってしまい、マイルドで角のない香りに仕上がってしまう。

それもそれで調和が取れていて悪い事ではないのだけれど、みんなが考える「本格的なあの香り」というのは、何か1本強烈な軸があって、それを補強するために脇役がいるというバランスのはず。

よって、よく「○○種類のスパイスを使った本格スパイシーカレー!」なんて売り文句を使う人がいるけれども、それだとスパイシーというより香りの丸いバランス型になってしまいます。

日本人が考える「スパイシー」って、もっとトガっている香りを指すはずで、そのためにはスパイスの種類と量を厳選すべき。その具材に対してどの香りが合うか、もしくは「自分がどんな香りで食べたいか」をよく考えて、それに必要なスパイスを用意する。

この「自分の好みで」という部分について掘り下げておくと、香りの好みなんて人それぞれだし、私のように家族に食べさせる場合は「あいつはこの香りは苦手だから」なんて条件も出て来るはず。
なので 「この材料を使う場合は絶対にこのスパイスじゃなきゃダメだ」 なんて原理主義的な考え方は大間違いだと思う。

私に色々と教えてくれた某権威は「インドでは家族の体調を見てお母さんが使うスパイスを変えたりしていた」なんて教えてくれたんだけど、じゃあ日本人もそれを真似るべきだよね。

個々が好みに合わせて、自由にやればいい

これがスパイスを使う際の一番のポイントだと思うの。

長くなったけど、せっかくの機会なのでついでに言っておきますが、多くの日本人が考える「スパイシー!」って、早い話が「ニンニクと胡椒と唐辛子のこと」です。それを強く効かせれば、それだけでスパイシーになるので、後はそこに特徴的な香りを1つ2つ足せばいい。

香りの考え方、スパイシーという言葉の考え方の基本はそんな感じ。

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