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『紫蘭後宮仙女伝』発売します

二年ぶりに本が発売します。
なんか出るまでに結構かかりました。

元々後宮小説が最近流行ってるなあと思っていましたが、あんまり乗り気になれませんでした。
青春を『封神演義』と『最遊記』に捧げてきたので、趣味や趣向がどうにも恋愛ファンタジーにならないため、現状の女性向けジャンルだと難しいんじゃないかなあと思ったのがあります。
それでも食わず嫌いはよくないなと、ひとりで何冊か最新作を買ってきて読み耽り、企画書を書きましたが。

「……無理だろ」

そう思って自主没にしました。
ちなみに最初に書いた企画書には、既に主人公の紫蘭も月季もいました。まだ妃たちの名前や宦官、宮女の名前は出ていませんでしたが、大まかなあらすじはこの時点でほぼ出来上がっていましたが。
あまりにも物騒な話だったがために、自分の関わっているレーベルさんだったら受け取ってくれないだろうなあと思い、そのまま放置していました。
そんな中、ポプラ社さんから連絡をいただき、企画を立てることになりました。
三ヶ月に一度、ログラインを書いては採用されたネタで叩き台をつくり、それを元にプロットを書きます。
まあ没、没、没と続き、こちらも自棄になっていたところ。

「後宮小説とか書きません?」

あまりに没が続いたせいなのか、担当さんから提案されました。
でも自分、書いてみた上で「無理」と思ったから、やっぱり無理だと思うんだけどなあ。そのときに自主没にした企画書を思い出し、それを出してみました。

「これで諦めてもらえるかなあ」

向いてないだろと言われて、他のものを書くことになるのかな。
そう思っていたんですが。それで書くことになりました。
マジか。
そう思いながらもとりあえず初稿を完成させたのが去年の話。まあいろいろあって出すまでにさらに一年かかりました。

「タイトルに後宮って入ってる癖して、ラブロマンスが微塵にも入っていない」
「胡散臭い人間ばっかり出てくる」
「主人公が実質詐欺師(本人成り行きで詐欺働いているだけで、割と全うな人間のはずなんだけど)」

最初のタイトル案には、後宮の文字入ってなかったんですが、「売れてるから入れましょう」と入れることになり、慌てました。

「大丈夫です? 詐欺になりません? 大丈夫です? 後宮もの好きな人と中華風ファンタジー好きな人って、近いようで微妙にレイヤーずれてますよ? 大丈夫です?」と無茶苦茶気を揉みましたが、まあ入ることになりました。
マジか(二度目)。
あらすじと帯読んでくだされば、まあどう読んでも恋愛ものとは取られないでしょうから、大丈夫とは思いますが……はい。

『紫蘭後宮仙女伝─時を駆ける偽仙女、孤独な王子に出会う─』

タイトルサブタイトルそのまんまの話です。
うっかりとタイムスリップしてしまった上に、歴史を変えてしまった(??)少女紫蘭が、後宮の陰謀に巻き込まれて宦官長により仙女に祀り上げられつつも、彼女の知っている歴史では明君として知られるはずなのに、後宮内で母親死んだ上に後ろ盾が全くなくって放置プレイ食らっていた王子月季と出会い、なんとか彼が王になる歴史に戻そうとジタバタする話です。

一応私の中での主人公ライン

・いけいけゴーゴー巻き込み属性
・ひたすらネガネガ巻き込まれ属性
・戦闘するぞ殴ってから考える属性

といますが、今回は三番目のラインからの出向です。
ネット小説や電子書籍ではさんざんお出しした属性ですが、紙書籍でお目見えは今回が初です。
皆さんがどうか楽しんでくれますように。

https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refBook=978-4-591-17462-3&Sza_id=MM


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石田空
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