男性短髪至上主義

男として生きていると面倒なことがある。

それは「髪型」問題だ。

「いや、それ不精の戯言だから」
等と言われるかもしれないが、当時者としては割と問題がある。

私はかれこれ髪を伸ばして2～3年経つ。
一度4～5年かけて伸ばした髪をいったんバッサリ切ったが、
その後伸ばしたり切ったりしながら、数年前ショートボブにしたのを最後に伸ばし続けている。

SDGsだのLGBTだの言われる昨今だが、日本においては男性の長髪というのは色眼鏡に見られがちだ。
「男子たるもの短髪であるべき！」
なんてのがいまだにまかり通っている。

「みんなの意見」的なYahoo!知恵袋の住民でさえ、
「髪切るのが嫌なら就職すんな、社会の塵」
等という連中ばかりだ。
彼らは何か自分がつらいことでもあったのかというような印象だ。

さらに普段、
「女性の権利が云々」だとか
「個人の権利は尊重すべきだ」だとか
言ってる連中も、男性の髪型の話になると、
「いや、そりゃ切るべきでしょ。」
バッサリ言い捨てる。

その理由はと問うと、
「清潔感がないから」
という。

清潔感がないって何だよという話だ。
毎晩シャンプーとトリートメントは欠かさないし、丁寧にドライアーを使って乾燥させる。
仕事の際はさまざまな結び方で髪の毛を振り乱さないように維持している。

それでも
「シャンプーとかトリートメントとかするのは女性がすること。男がするなんてキモい」
「髪を結ぶくらいなら切ればいいのに」
何ていうものだからたまったものではない。

挙句、
「芸能人だったら許せるけど、一般人はちょっと」
だとか
「イケメンのロン毛はいいけど…」
などとお前の趣味だろとしか思えないような意見も多い。

そもそも男性の長髪に否定的な声を聞くと、
全体的に個人の主観のものが多い。
「鏡でヘアチャックしてるのが醜い」（自分はいいのか）
「気持ち悪くてだらしない」（あくまでも個人の見解だろ）
「本当にかっこいい人じゃないと似合わないと思う。」（うるせえ）
だいたいそんなところだ。
私からすると、単なる個人の好み・性癖をいけしゃあしゃあと公表したかのように思えないのだ。

そもそも、
男性の長髪は「不潔だ」という。
清潔感とはいったい何ぞやと思う。

短髪でも、年中肩にフケをまき散らしているようなやつや
寂しい頭髪の手入れもできていないようなやつと比べたら、むしろ何十倍も清潔だと思うのだが。
女性も女性だ。
どこそこで髪をとかしてたりしていたり、
おびただしい枝毛を振り乱しているような女も、清潔とは言えない気がする。

なんとなく
「短い方がかっこよく見える」
という同調圧力に似ている。

コロナウイルス騒動で、真っ先にマスクやトイレットペーパーや食料を買いにスーパーへ突っ走った人みたいに。
いや、そういう人がそういうことを思っているのかもしれない。

以前私は、こういうことを言うのは、頭髪の薄いオヤジの嫉妬だと思っていた。
しかし、そうでもないようで、最近では女性がそういう声が大きいこともあるのだという。

まるで、
「あんたたちが女子力高めたら困るでしょ！私たちがおしゃれの手抜きできないんだから！」
というのをカバーするような感じにさえ思ってしまう。

別に女性がおしゃれしようとしまいが勝手なのだが、
自分の都合を他人の行動に押し付けるのは非常に見苦しいと思う。
でもそういうう輩って、だいたい長髪が似合う男性に対しては、
「素敵！論外！許す！」
とか言うのだ。全く都合のいい連中だ。
結局長髪の男をスケープゴートしたいだけなのかなと思う。

とかく世の中的には、
髪が短いのが男らしいという。
でも私は思うのだ。
「髪が短いから男らしい」
というやつは、その人が短くしたからと言って、
自己満でしかないのだ。切ったところで、
「さっぱりしたじゃん」
とせいぜいいうくらいだろう。
別にお前のために切っているわけではないというのに。

最近なんか似てる人見たな。
あぁ、自粛警察とかマスク警察とかか。