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管理職と管理監督者って何が違うの?
念願叶って管理職に昇進!
給与アップもして喜びもつかの間、風の噂で「管理職は残業代が出ない」と聞いて驚く方も...
ちょっと待ってください。実は管理職だからと言って、残業代が出ないとは言い切れません。
ここでしばしば勘違いされるのが「管理職」と「管理監督者」は実は全く異なる概念だということです。
どのような違いがあるのでしょうか?
管理職の定義は会社によって異なる
「管理職」と「管理監督者」は混同されがちですが、実は法的な扱いや役割が異なります。
まず、「管理職」とは、部署やチームを率いるリーダー的な役職を指します。
多くの場合、意思決定権や人事権といった権限を持ち、組織の運営に関わる重要なポジションです。
しかし、この「管理職」という言葉には法律上の明確な定義はありません。
そのため、会社ごとに役職名や仕事内容、責任の範囲が異なるのが特徴です。
例えば、「課長」という役職でも、その実際の業務内容は企業によって異なります。
ある会社では課長職が管理業務を中心にしている一方で、別の会社では課長職が部長職相当の責任を担っている場合もあります。
このように、「管理職」でも、その実態は大きく変わるのです。
管理監督者とは、法的に特別な役割である
一方で、管理監督者は労働基準法で定められた特別な区分です。
一般的な「管理職」とは異なり、法律上の明確な基準があり、その基準を満たす場合にのみ「管理監督者」と認められます。
管理監督者か否かは、次の4つの要件を満たす必要があります:
重要な職務内容を有していること:労働時間や休憩、休日の規制を超えて活動せざるを得ない職務に従事している。
重要な責任と権限を有していること:経営から「重要な責任と権限」を委ねられている。
勤務態様が労働時間の規制になじまないこと:実際の勤務が固定的な労働時間管理にそぐわない働き方である。
地位にふさわしい待遇を受けていること:給与や手当が一般社員とは異なる水準である。
これらを踏まえると、管理監督者は自らの裁量で働く自由度が高い働き方ができる一方で、残業代や深夜手当が適用されないことがあるのです。
管理監督者に適用されること、されないこと
管理監督者になると、労働基準法の中で適用外となる規定がいくつかあります。
労働時間の規制が適用されない
管理監督者には、1日8時間、1週40時間といった労働時間の上限規制が適用されません。これは、勤務時間の管理が本人の裁量に委ねられているためです。
残業代が発生しない
所定労働時間を超えて働いても、管理監督者には残業代が支払われません。役割上、労働時間を超えた裁量労働が前提となるためです。
休日労働の割増賃金が適用されない
休日に勤務した場合でも、通常の割増賃金は適用されません。ただし、 深夜労働に関しては、割増賃金が適用される点に注意が必要です。
休憩時間の厳密な付与義務がない
一般社員には労働時間に応じた休憩時間が義務付けられていますが、管理監督者には厳密には適用されません。裁量を持つ分、自ら休憩を取るタイミングを調整することが求められます。
このように、管理監督者はその役割と責任の代わりに、通常の社員とは異なる働き方が許されています。
ただし、 深夜労働の割増賃金が適用されることや、 健康管理に関する規定(例:ストレスチェックや労働時間の管理) は通常の従業員と同じであるので注意が必要です。
管理職であっても管理監督者であっても、期待される役割と責任を果たすためには、これらの違いを正しく理解し、自由度を活かしながらも健康を意識した働き方を心がけることが大切ですね。