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『異人たち』クレア・フォイのひとこと多いオカンから女王陛下まで

クレア・フォイのナチュラルな芝居は、
その多彩さと深みで観客を圧倒する。

冷静な女王陛下を演じるときの寡黙さ、
ひとこと多い世話焼きオカンの親しみやすさまで、

目のやり場、小さなしぐさ、一挙手一投足、
彼女の演技はどの役でも自然で真に迫るものである。

そのオールラウンダーぶりだけでも十分に楽しめる本作は、
異人とオカンの行ったり来たりを、存分に堪能できる作品、でもある。

ちがう言い方をすれば、
クレア・フォイのブリッジの説得力が無ければラストも、
あるいは、
作品全体も成立していたか、、、
怪しい。

本作はフェリーニや黒澤のような世界中の巨匠が晩年に手掛ける、
子供時代の思い出と夢が交差するような作品に似た趣がある。

当時は、まさか山田太一まで!

そんな思いで鑑賞した記憶がある。

更に本作は、クィア作品としての一面も持っている。

自分に起こっている目の前の事を一歩引いて見ることで、
新たな視点を得ることができる。

更に10歩、100歩、一年、十年、二十年引いて、
その中で見えてくるものは、、、、

星の位置からなら、
他者の視線を恐れずに進む勇気も与えてくれる。

FGTH懐かしい

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