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『密輸 1970』トップラインから逆算するビジョン、リソースの配分のレベルが違う

おもしろい!

濃いめの芝居、キャラ、衣装、
スクリーンの質感、色彩、
テロップのフォントの出し方等々、

深作欣二でもない、
曽根中生でもない、
鈴木則文が近いのか、
音楽は津島利章、
ていうか、

キャストもスタッフも、

カメラのポジショニング、
移動での寄り方、芝居のしかた、
参考作品として加藤泰、
三隅研次までは観ているだろう。

短刀、アイスピックの、
(トンカチ、ドロップキックはここでは触れない)
至近距離アクションの、
小さなアイデアの数々も素晴らしい。

作品のテイストによって、
ザクザク、サクサク、
スラッシュする時もあれば、
今日はこれくらいにしておいてやろうという寸止めの魅せ方は、

上記の監督の技術を参考にしている可能性はもあるだろう。

リュ・スンワン。

ベテランとか、
モガディシュのような、

韓国と北朝鮮のイデオロギー、思想までも、

笑わせて笑わせて泣かせるエンタメに仕上げる手腕は健在。

『THE MOON』でも書いて、
今更だが、
ハリウッド映画よりも、
韓国映画の方が一歩先を進んでいる。

何が一歩先か。

企画製作のビジネス的ビジョンの客観的判断、
実行制作のシナリオ、演出含めた技術力、配給興業の観客動員の射程、センスと力技、

全てにおいて一歩先で、

その一歩は遠すぎて背中は見えなさ過ぎて『ソウルの春』も観るのは楽しみでもある反面圧倒されて立てなくなりそうなこわさも正直ある。

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