TBS日曜劇場『御上先生』テレビドラマのパラダイムチェンジになる可能性
映画「ザ・中学教師」では、
プロの教師が書いた原作を基にした、
沈着冷静、冷血ともいえる主人公先生が、
社会問題を背景に校内の問題に対応していく内容だった。
見やすいように、
冷静な主人公先生との対比で、
熱血先生という役割の登場人物が配置されていた。
しかし、「御上先生」では、
主人公が孤独にその難題に挑む姿勢が際立っている。
ルフィとゾロ、
ホームズとワトソン、
アストリッドとラファエルのように、
対照的なキャラクター同士が物語を引き立てる役割を果たしていた。
この対比によって、登場人物同士の個性が鮮明に浮かび上がり、
物語がより魅力的になる。
コメディにおける「ボケとツッコミ」の関係性と同様に、
〈鋭い言動の主人公〉に対して〈説明しよう!〉の、
キャラクターが存在し、物語に深みを与えていた。
しかし、「御上先生」では主人公が一人で多くのセリフを抱え、
対比となるキャラクターがあまり目立たない点が特徴的である。
降格した副担任、報道部のカンザキ、
意味深な表情を見せていた生徒たち、
その他の登場人物がその役割に昇格する可能性があるものの、
スタートではその対比の要素があまり強調されていない。
このような状況下で、主人公が持つ強い意志や姿勢が、
視聴者に与える印象を大きく左右する。
また、「御上先生」は、
文科省という大上段からの視点を取り入れた構成を持っており、
教育現場の厳しい現実に正面から向き合う姿勢が見て取れる。
そのため、物語の難易度は高いが、
その挑戦的な要素が本作を際立たせている。
もしこのままラストまで一貫して物語が進行すれば、
テレビドラマのパラダイムに新しい風を吹き込むことになるだろう。
なんのパラダイム?
視聴者の問題意識と読解力を信じて展開する作品が、
マジョリティになる、とまではいわないまでも、
増加するということ。
The personal is political.
倫と徳、
ではなく、
徳の隣。
期待を抱かせる非常に魅力的なスタートを切った「御上先生」
今後の展開に大いに注目したい。
大技狙いのザンギエフ使いは手強いで~。
しらんけど