詩のご紹介246 美しい朝(小黒恵子作)
こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。
今日は、合唱組曲「草笛のうた」~ふるさとは多摩川~ という合唱曲集の中から、第3作目の「美しい朝」をご紹介します。
小黒さんは、今までの詩からもわかるように大の動物好きとして知られています。また、自宅(小黒恵子童謡記念館)が多摩川のすぐそばにある、ということもあり、多摩川の自然をこよなく愛されていました。「東京の多摩川に鮭よ帰れ」という願いをこめて、「ふるさとは多摩川」という副題をつけられています。
組曲の副題でもある“ふるさとは多摩川”--その多摩川の辺りで、クラウンの少女たちがこの歌を高らかに歌ったあの雪降りしきる日を、私はこれからも忘れないでしょう。1984年2月26日、“東京にサケを呼ぶ会”が鮭の稚魚30万匹を多摩川に放流して、自然への回帰を願ったあの日の思い出は、凍(い)てつく寒さとはうらはらに、心暖まるかけがえのない思い出として、私の心のなかにこれからもずっと生きつづけていくにちがいありません。
と、作曲者の湯山昭さんは、書かれています。
美しい朝
小黒恵子作詞/湯山 昭作曲
うす紫(むらさき)の 霧のなかから
湧(わ)きあがる 川辺(かわべ)の霧よ
オレンジ色の 光をあびて
いま 今日という
あたらしい日が はじまる
霧の中から聞こえてくるのは 何(なん)の鳥
クイナか目白か セキレイか
美しい朝に わたしは想う
川がひたすら 海をめざすように
ひとつの夢を 燃やしたい
うす紫の 花のなかから
訪れる 季節の風よ
流れる雲よ 飛び交(か)うあかね
いま 今日という
さわやかな日が はじまる
最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。
次回は、「草原のうた」~ふるさとは多摩川~ の中より「ふるさとは多摩川」をご紹介いたします。(S)