![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54260090/rectangle_large_type_2_ca8c6086d1a53ba67d1bc3358ea5e106.jpg?width=1200)
海外のATMで、ほぼ全財産のカードが吸い込まれた話【イギリスYMS】
これは、私がYMS(ワーキングホリデーのような制度)でイギリスに来て、1週間程しか経っていない頃の話だ。
(海外でATMを使うときは、なるべく平日の昼間にすることをお勧めする)
トラベルプリペイドカードに全財産
今でこそ海外送金がリーズナブルにできるようになったが、当時はそういった類のものがなかった。
そのため、日本で作ったトラベルプリペイドカードに、YMS用に貯めたお金を数十万円入金して持参していた。
イギリスで銀行口座を開設するまでは、そのトラベルプリペイドカードが私のほぼ全財産だった。
(盗難を恐れ、現金は数万円持参していただけだった)
近所のATMは、現金を引き出せる上限が250ポンドと決まっていた。
語学学校の授業料等を支払うため、何回かに分けて現金を引き出す必要があった。
この日は、引き出し3回目くらいだったと思う。
トラベルプリペイドカードを差し込み、250ポンドを引き出そうとした。
カードが先に返却され、その次に現金が出てくる流れなのだが、カードが出てこない。
待てど暮らせど、画面はフリーズしている。
血の気が引いた。
私の全財産が!
クレジットカードがわりに、買い物にも使っているカードなのに!
わずかな現金だけであと何日生活できる?!
ATMは路上にあることが多い。
イギリスに到着して間もない頃だったので、強盗を警戒し、人目に付くよう大きな幹線道路に面した、銀行の壁に設置されているATMを選んでいた。
人や車が多く行き交う目立つ場所で、ATMに向かい、一人オロオロしていた。
全財産かかってるので必死
ここで幸運だったのが、銀行の営業時間内であったことだ。
店舗内にいる銀行員に助けを求めた。
イギリスに着いたばかり、しかも突然のトラブルで焦っており、
「マイカード!インサイド!ATM!」ぐらいのことしか話せていなかったと思う。
(My card got stuck! とかの方が良かったかな、と今は思う)
銀行員は、私の拙い英語でも理解はしてくれた。
だが、返ってきた答えは「ATMに書いている番号に電話してみて」だった。
渡英直後に、いきなりハードルが高い事案に遭遇してしまった。
しょんぼりとATMに戻り、指示通りATMに書いてあった番号に電話をかけた。
またしても稚拙な英語で、状況を説明した。
電話口のスタッフも、なんとか状況を理解してくれた。
そして「ATMにスタッフを送りますので、○時まで待ってください」と言われた。
待てなくもないが、ちょっと時間がかかるな、というくらいの待ち時間だった。
ただ、これが夜や休日だった場合、すぐ来てもらえたかどうかわからない。
これも不幸中の幸いということか。
カードを置いたまま、その場を離れることはできなかった。
何かの拍子にカードが急に出てきた場合、その後お金も出てくるからだ。
それらを盗られてしまっては、今後の生活が立ち行かなくなってしまう。
ATMの故障お知らせ係
私は、幹線道路に面した、銀行の壁に埋め込まれたATMの前でスタッフを待った。
椅子などはない。棒立ちでひたすらスタッフを待ち続けた。
待っている間に、ATMを利用しようと多くの人がやって来た。
人が来る度に私は「This ATM is out of order.(このATMは故障中です)」と説明した。
昔、学校の英語の教科書に「This time machine is out of order.(このタイムマシーンは故障中です)」という文が出てきて、「time machine が out of order だと説明する日はやってくるのだろうか」としょうもないことを考えたことがあったのだが、少なくともATMの故障について説明する日はやってきたのだった。
この機会は逃すまい。スタッフが到着するまで、私は「ATMの故障お知らせ係」として活躍の場を得た。
もっと具体的に感謝を伝えたかった
ATMの故障お知らせ係が板に付いてきた頃、スタッフがようやくやってきた。
よくあることなのか、手際良く何かを操作し、無事にカードと現金が出てきた。
全財産が戻ってきたことにより、緊張とATMの故障お知らせ係から解放された。
カードが戻ってこない時の絶望感、待っている間のヒヤヒヤは、もう味わいたくない。
ATMを使うときは、すぐ助けが来そうなところで、なるべく平日昼間にしようと心に誓った。
スタッフには、これがないと本当に困るところだったとか、すぐに解決してもらえて良かったとか、もっと具体的に感謝の気持ちを伝えたかったのだが、英語力が足りず、結局「Thank you very much.」で終わってしまった。
後日、引き出したお金で語学学校の授業料を支払った。
語学学校でしっかり勉強して、今度は助けてくれた人にちゃんと御礼が言えるようになろう、と思った。
*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚
イギリス暮らしの Vlog やってます!よろしければ是非ご覧ください👇
https://www.youtube.com/channel/UCBJKMfM_bCUZHFNHzetElhA
Instagram もやってます👇 フォローはお気軽にどうぞ!
https://www.instagram.com/ogura_mizore.uk/