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”起業するので仕事辞めます”はちょっとまったです!!

こんにちは。
阿蘇小国郷ピクルス本店です。熊本県阿蘇郡小国町で加工食品の製造販売をしています。
見出し画像は出来上がったピクルスにシールを貼り終わって一段落した時に、妻に「頑張りましたよ」と報告する用に撮った写真です・・・

今回はよくご相談いただく内容について書いてみます。
 ・「起業するならまず今の仕事を辞めないとダメですよね?」
 ・「注文が沢山きたら大変だから仕事辞めないとダメですよね?」
 ・「今の仕事辞めないと起業できないですよね?」
 ・「自分が起業するので嫁さんも仕事辞めないとダメですよね?」
今のお仕事を辞めないとダメですよね?といった質問はとても多く頂きます。
近頃は副業を認める企業さんも増えてきています。私も病院職員をしている時、他病院から協力要請を受けてアルバイト代を頂いてその病院でお仕事をしたこともあります、もちろん元々の病院の病院長に事情を説明して、許可を頂いて、本業に影響しないようにお休みなど時間外にやっていました。そういった土壌が整っている事が前提となりますが上記のような質問には「今の仕事は辞めずに準備を進めるなり、今の収入と同程度かそれ以上になるまで退職するのは待った方が良いですよ。」と答えています。

今のお仕事を辞めるタイミング

私が今のお仕事を辞めるのを先延ばしにする理由ですが、単純です、加工食品事業を立ち上げて生活ができるほど収入を得るまでには時間がかかります。
時代に逆行する講座でごめんなさい」でも触れたのですが私が行っている「小規模食品メーカーの作り方、企画から販売開始までの実践講座」では商品の企画をしてから保健所の許可を取ったり販売店様を探す営業活動を行なったりして、あなたの商品が初めて店頭に並ぶのに最短でも半年程度はかかります。この半年の期間は販売開始までの手順とノウハウが身についていて無駄なく工程がこなせた場合です。ここから売り上げを伸ばしていきながら次の新しい販売店様を探しながら利益確保に向けて努力をしていくことになります。
「ノウハウは無いけどとりあえずチャレンジする!!」のも勿論いいことですが、色々なハードルや問題点につまずいて販売開始にこぎつけられなかったお話しもたくさん聞いています。そうなると収入源がなくなってしまいますし次の収入減を探す必要が出てきます。
「小規模食品メーカーの作り方、企画から販売開始までの実践講座」の前に依頼されて2~3時間程度の講座で使っていた資料に下のような資金計画の考え方を書いていたので貼り付けます。

▽資金計画
 自身にとって最悪の状態を考慮して資金計画を立てる
 例)
 ・2年間、この食品事業で収入が得られないことを想定
 ・2年間の活動費用、家賃、光熱費、設備にかかる費用を確保できるように資金計画
▽引き際の設定
 ・2年活動して売り上げが上がらない時
 ・3年活動して単体で黒字にならない時

こんな風に資料に書いていました。
改めて見ると、我ながら良い線ついたこと書いてたと思います。一般の方がこれを見るとそんなに厳しいのかと思われるかもしれませんがこれくらい最悪の状況を考えていないと上手くいかなかった時のダメージが大きくなりすぎます。
飲食店の場合ですが、しかもはっきりとしたデータではなく、大まかなデータからですが「飲食店開業1年後の生存率は70%、2年後で50%、3年後で30%、5年後で20%、10年後では5%~10%」と言われることが多いようです。
加工食品の場合でも感覚的にだいたい同じくらいかなと思います。
生活ができるレベルまで利益を上げて継続的に販売数を増やしていかなければ事業の継続はできません。
こういった具体的な数字を一緒に見て考えれば今のお仕事を辞めるタイミングは慎重に検討するべきだと思います。

お金をかけなくても製造場所は作れます。

ここまで、しっかりとした収入を得られるようになるまでは今のお仕事は辞めないほうが良いですよとお伝えしてきました。
これに付随してふと思ったことがあるので触れてみます。
「食品加工の製造場所って作るのにお金かかるんでしょ?」と聞かれることもよくあります。
私自身で保健所の許可を取った製造場所は2か所あります。相談されてお手伝いして作った製造場所も数か所あります。
色々と経験を積んだのでお金をかけずに製造場所を作ることが得意になりました。
この辺は大事なノウハウなので詳細は講座の中で説明しています。
熊本県阿蘇郡小国町の阿蘇小国郷ピクルス本店で保健所の製造許可を取るためにかかった費用は(物件は賃貸です)
 ・包丁やボールなどの調理器具
  →1万円くらいかな(家にあったものも利用)
 ・寸胴鍋
  →6,000円くらいかな(一番高い調理器具でした)
 ・ステンレスの作業テーブル
  →8,000円くらい
 ・水道工事
  →5万円くらい(高くて涙でそうでした)
 ・エアコン+取り付け工事費
  →10万円くらい(涼しくなったので悲しい気持ちをごまかしました)
 ・DIYで造作物や補修など
  →2万円くらいかな
 ・冷蔵庫
  →大家さんがただであげると言ってくれらので0円
   (大家さん、いつもお世話になります!!)
保健所の許可を取るだけであればエアコンは要らなかったのですが夏だったので苦渋の決断で取り付けました。
エアコン込みで「194,000円くらい」ですね。
この程度の投資で保健所の許可を取りました。
この説明をすると大抵の方は「え?!」っとなります。もちろん最上級の設備で作れば簡単に数百万円(後半)はかかると思います。専門の業者さんに頼んで安く作ってもらえば・・・それでも数百万(前半)はかかるでしょうね。。
製造許可を取るための基準を理解してポイントがおさえられて、そのうえで費用を安く上げる方法で作ればこの程度になります。
「小規模食品メーカーの作り方、企画から販売開始までの実践講座」は期間が半年はかかりますし費用も高額です。それでも「結果的にかなり安いよね」と言ってもらえるのは、お金をかけずに色々な問題をクリアできる知識とノウハウを教えてもらえるからとお声を頂いています。

まとめ

今回は「今のお仕事を辞めるタイミング」と「お金をかけなくても製造場所は作れます」について書いてみました。
この2点は本当によく聞かれます。
起業は博打ではありません。というよりも博打で起業しないで欲しいなと思っています。
私の知り合いでも私みたいなヘラヘラしたやつができるんだったらと焦って加工食品にチャレンジしたのですが上手くいかず困った状況になっている人もいます。
確かに私は40代にもなっているのにヘラヘラしてると思います。でも調べることはしっかり調べて、自分にとってとても厳しい資金計画も立てて、寝る間も惜しんで準備をしたり製造したり営業活動したり、ヘラヘラしながらも戦略的に活動しています。
この投稿を読んで下さっていて今後加工食品の事業に参入しようと思われている方には是非しっかりとした準備をして頂きたいと思っています。

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