マルチ人。の絶叫伝記 〜小学生編 ③ モンスターハウスからの脱出〜
1991年夏。東京、練馬区。
梅雨も明け、蒸し暑さを感じる頃には、山川(やまかわ)家(仮名)と金田(かなだ)家(仮名)との、いびつな同居生活にも少し慣れてきた。
遠くから見ると、手長猿を思わせる金田側の小学5年生のひろや(仮名)は、周りの人とは壁を作らず、人を笑わせる人懐っこさと愛嬌を兼ね備えていた。
山川側の2つ上の兄のりょう(仮名)や私(マルチ人。)と、金田側のひろやとの間でちょっとした、子ども同士の喧嘩や言い争い、対照的にくだらないギャグを言い合うような関係になる