【マネジメント】企業を成長させる人材育成のポイント3選
「何度同じことを言っても、思うように動いてくれない。」
「手取り足取り指導しても、仕事を覚えてくれない。」
「中途半端なところまでしかできていないのに、本人はやり切ったと思っている。」
メンバーに対してこのような悩みを抱えているマネージャーの方は多いのではないでしょうか。
新たに入ったメンバーや経験や、スキルの浅いメンバーの人材育成は、組織の成長に関して非常に大きな鍵を握っています。
この記事では、今、日本企業に求められている人材育成の特徴や、マネジメント層の方が人材育成を実践する際のポイントについてご紹介していきます。
企業における人材育成とは
人材育成とは、漢字の通り「人を育て、成長させる」ことを指します。
企業においては、所属する組織の活性化や市場価値の向上を後押しできる人材として各メンバーが成長を果たすために人材育成を行います。
組織の成長を実現させるためには、組織を形成しているメンバー一人ひとりのスキルや生産性を向上させることが重要です。まずは個人の力を最大化させることが組織を成長させるための絶対条件とも言えます。
現代における人材育成の目的
人材育成と一言に言っても、時代の流れや変化に合わせて育成の方法やポイントはどんどんと変わってきます。
従来の日本企業と現代における日本企業に必要とされる人材育成のあり方について、詳しく見ていきます。
■組織と個人の関係性の変化
かつての日本企業では、終身雇用制度が主流であり、一度就職した企業から転職をするといった機会は今と比べて珍しいものとされていました。ゆえに、一度所属した組織に対する帰属意識が強く、組織が人材をいかに管理するかという「組織 > 個人」の考え方が浸透していました。
しかし、現在は終身雇用はほぼ廃止され、スキルをつけたメンバーはさらなるスキルアップを図って他の企業に転職をしたり、あるいは独立をするといった動きも増えました。
この動きによって、
「組織は個人の集合体であり、所属組織内での個人の成長を目的とした人材育成や人事評価を実施すればいい」
という従来の考え方では組織は生き残れないという認識が広まってきたのです。
現在では、組織自体が常に成長や変化をし続けることによって、個人も組織も共に成長できる「組織 = 個人」の環境や、個人にいかに業務体験を与えられるかに重きを置いた「組織 < 個人」の組織形態が重要視され始めました。
まさに今こそ、「組織」に焦点を当てた時代から「個」に焦点を当てた時代に変化している最中なのです。
■個の時代に合わせた人材育成の必要性
先述した通り、現代における日本企業では「個の力」が重要視されるようになりました。
組織自体が常に成長と変化を繰り返していかなければ、優秀な人材は他社へ流出してしまい、企業は生き残れません。
単に組織内での個人の成長に焦点を当てた人財育成をするのではなく、社会の変化に適応しながら、組織も個人も成長できる環境を整備することが、これからの人材育成の基盤となると言えます。
マネジメント層が実践すべき人材育成3選
では、組織と個人がともに成長し変化し続けられる環境を整備するために、マネージャーをはじめとしたマネジメント層はどのような人材育成を実践すべきなのでしょうか。
そのための人材育成のポイントを3つご紹介します。
その1:役割を与え、何をしてほしいかを明確に提示
まずはメンバーに対して「何を」「いつまでに」「どれぐらい」対応してほしいのかを細かく、かつ明確に指示してください。
そうすることによって、メンバーは具体的に指示を理解して業務に取り組むことができ、マネージャーが自分に何を求めているのかについても把握することができます。
マネージャーが思っている以上に、メンバーは「何をどうすればいいのか」を理解していません。
それは、「視座の高さの違い」によるものです。
もう少し噛み砕いて言えば、上司であるマネージャーと部下である一般メンバーとの間では仕事や事業に対する視点が異なるため、とも言えるでしょう。
マネージャーは、これまで積み重ねてきた経験があるため、さまざまに事象に対して「何をどう動くことによって、どういった結果がもたらされるのか」をある程度予測することができます。
しかし、マネージャーよりも経験で劣る一般メンバーは、そこまで先を見据えて仕事が出来るかと言えば、そうではありません。当たり前ですが、マネージャーとは役職の違いもあれば、技術的な差もありますので、これは決してメンバーの理解度に問題があるわけではないということをきちんと認識しておいてください。
よって、マネージャーが感覚的に理解していることと、部下が実際に理解していることに、
大きな差が生まれてしまうのです。
だからこそ、この認識のズレを解消するためには、メンバーに求めることをより細かく的確に指示することが最善策なのです。
「いい感じにしておいて」
「なる早でやっておいて」
「全力でやってみて」
などのように、個人によって受け取り方が違う言葉で指示を出すと、「いい感じ・なる早・全力」の感覚がマネージャーとメンバー間で異なるため、要望通りに仕事が進まなくなってしまう恐れがあります。
感覚的に仕事の指示をするのではなく、役割を明確にして具体的に何をすればいいのかを指示をすることによって、部下は行動に移しやすくなります。
その2:与えた役割を反復練習させる
続いて、メンバーには同じ役割の業務を複数回経験してもらい、その業務に取り組むことに慣れてもらう環境づくりを意識してみてください。
スポーツや勉学においてもそうですが、一度与えた役割や仕事を完遂出来たからと言って、それで部下が業務を完全にマスター出来たとは言えません。
出来るだけ、繰り返し、反復練習をさせることも成長するためには不可欠です。
この反復練習を繰り返す中で、人は自ずと「どうすれば効率的に出来るか?」という感情を持ち始めます。それが主体的に業務に取り組む姿勢や行動の第一歩につながります。
この感情を仕組みにしたいのであれば、与える役割・仕事の具体的な目標値を少しづつ上げてみてください。
例えば、前月より5%多くする、先週よりも1件多く受注するなどのように具体的に指示をすることによって、メンバーの業務に対する取り組み方は変わってくるでしょう。
何度も繰り返すうちに、メンバーはその仕事を通じて成功体験も得られます。成功体験をもつことによって自信を持って取り組むことが出来るようになったり、さらなる改善点を自ら考え、実行することが出来るようにもなります。
そうすることで、マネージャーは安心して新たな仕事を割り振ることもできますし、メンバーの成長を実現していくことができます。
その3:メンバーの行動に細かく口出ししない
最後は、メンバーの行動に必要以上の口出しをしないことです。
プレイングマネージャーの立場の人にありがちな行動は、メンバーに対して細かいアドバイスを与えてしまうことです。
マネージャー側の感情としては、メンバーのためを想い、もっと速く成長してもらうために良かれと思ってアドバイスをするのだと思います。
しかし、アドバイスを常に与え続けてしまうと、メンバーに「考える力」が全くつかなくなってしまいます。
まさに、言われたことしか出来ないメンバーが出来上がってしまうのです。
もちろん、ここぞというタイミングのアドバイスによってメンバーの行動がプラスの方向に転換することもあるため、全く必要がないとは言えません。
しかし、メンバーを育成する立場にあるマネージャーは、アドバイスを与えることのメリットとデメリットをどちらも理解した上で、本当に必要なアドバイスのみ限定して与えることを心がけてみてください。
明確化された目標さえ与えれば、その目標に対してときには失敗もしながら自分の力で成功を掴み取る時間をメンバーに与えることも大切です。
「このメンバーはどのようにしてクリアしていくのかな?」と、各メンバーの成長を見守ることも人材育成には必要な要素となります。
人材育成を実践する上で大切なこと
マネージャーに実践いただきたい人材育成のポイントについてご紹介しましたが、これらの人財育成をするにあたって最も大事にしてもらいたいことは、「自分で考える機会」をメンバーから奪わないことです。
指示やヒントを出されてばかりのメンバーは、すぐに答えを知りたがって自分で考えることを放棄してしまいます。その場しのぎでは指示を出した方が早く仕事が回って楽だと思うかもしれませんが、メンバーを「育成」していきたいのであれば、必ず自ら考える癖づけをしてあげてください。
人は、考えることを放棄した瞬間に成長は止まってしまいます。
ときには答えのない問題にひたすら向き合い続けないといけない場面も出てくるでしょう。そのような状況で匙を投げてしまったり、人に頼ってしまうような人材にならないためにも、主体的に問題と向き合い、自分の頭で考えられる人材を育成できるようにマネージャーは意識して人材育成を実践することを推奨します。
個人と組織が正しく成長し、相互的に作用・循環することで、それぞれが改善や変化、成長を果たし、結果として組織の適正化につながります。
組織の適正化が正常に行われることによって、主体的に行動できる人材の育成や組織・事業の成長が実現すると考えます。
メンバーの成長を仕組み化させましょう
今回は、マネージャーが実践すべき人財育成のポイントについてご紹介をしました。
人材育成は一時的なものではなく継続することが大切です。
そのための仕組み化の一つとして有効なのが、適切な人事評価の設計です。
人材が成長しつづけていくために評価基準を公正なものにしていくことは、非常に重要なポイントとなります。
一人ひとりの評価項目をより明確で納得感のあるものにすることで、目標が明確になります。成長のための道すじを整備してあげることが、マネジメント側の役割でもあります。
ぜひ、企業を成長させるために、人事評価項目の見直しや再策定をしてみてはいかがでしょうか?
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