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役割や責任が曖昧な状態で部下育成はできない!
OGSシニアコンサルタントの深石です。
会社を経営する上で、一人一人の成長は事業成長に欠かせない要素です。
経営者や、マネジメント側の立場である皆さんは、日々、従業員やメンバーと向き合い、どのように一緒に成長していくかを考えていると思います。
今回は部下育成という観点から、重要なポイントを3つピックアップしてお伝えいたします。
① 計画(Plan)と実行(Do)を切り離してはいけない!
経営者、マネージャーの皆さん。
PDCAサイクルでいう、計画や企画(Plan)と、実行(Do)を切り分けてしまってはいませんか?
例えば、計画(Plan)の全てを経営者やマネージャーが行ってしまい、実行(Do)のみを現場に渡してしまうと、現場のメンバーにとって、それはただの「作業」になってしまいます。
「作業」になってしまうデメリットとしては、いくつかの段階が考えられます。
プランニングの段階を把握していないので、「やらされ感」につながる。
↓
主体的に取り組みづらく、工夫・アイデアがなくなってしまう。
↓
頼まれたからやると考え、結果が出ないことを上司のせいにするなど他責思考に陥りやすくなる。
「うちは、考えさせることから部下にやらせているから大丈夫」と言う方もいますが、実質的には計画(Plan)の部分をマネジメント側が巻き取ってしまっている、ということも意外とあります。
この機会に一度見つめ直し、計画や企画(Plan)と実行(Do)をセットにしてメンバーに任せていきましょう。
② 目標と目的が分離してしまってはいけない!
目標と目的は、セットで考えなくてはなりません。失敗してしまうのは、その2つを分離してしまうときです。
マネジメントの考え方において、目標や目的を明確にするのが重要、というのはよく言われます。
目標を明確にしないということは、ゴールのないマラソンをするのと同じです。
ゴールのないマラソンは、大変辛いものです。
合わせて、その目標を設定した目的や、背景、どういった意図や意味を持ってやるのか、ということをしっかりとセットで考えていく必要があります。
・なぜ、このハードルの高さなのか?
・なぜ、今これをやるのか?
メンバー自身の納得感がないまま走り出してしまい、結果的にゴールテープを切った際、成果が出ていないということになってしまう。
目標と合わせて目的を伝えていかないと、往々にして、こうした状況になってしまいます。
・納得しなかったら動かなくていいのか?
・スタート前にすべて納得しないといけないのか?
・そもそも走り出す前に納得感は得られるのか?
そういった声が聞こえてきそうですが、全てのメンバーが100%納得して走り出すばかりではないはずです。前もって説明したとしても、本当にやるべきなのか?と思いながらメンバーが走り出すことも当然あるでしょう。
とはいえ、目的や意図、背景を全く説明しないまま、ゴールだけ明確にして「行け!」と指示しても、何のためにやるのかわかりません。
モチベーションも保ちづらく、結果的に達成度が上がらなくなってしまいます。
必ず、目標とセットで目的も伝えていきましょう。
マネジメント側がその目標設定に至った背景や意図を伝える「姿勢」も大事です。そして、「走り出そう、一緒に結果をだそう」というような姿勢で声かけをしていきましょう。
③ 部下に仕事を任せられない!
これは、優秀な経営者・マネージャーが陥ってしまうケースです。能力のある優秀な経営者やマネージャーであるほど、メンバーや管轄の部下に対して仕事を任せることができない、ということがあります。
自分でするほうが早いから、結局自分で巻きとってやってしまうんですね。任せるにはまだ心配だ、ということもあるかもしれません。
ただ、やはり人の成長場面を考えると、成長の糧になるのは「経験」です。たくさんの経験を積み重ねていくことが、人を成長させます。
逆に言えば、経験をしていってもらわないと、成長はしないということです。
「説明している時間がもったいない、それだったら自分で手を動かした方が早い」
その気持ちもわかります。
「緊急性が高いものは、どのみち自分がやるしかない」
そういうこともあります。
ただ、緊急性と部下育成を天秤にかけ、中・長期的に見てどちらの重要度が高いかを判断していかないといけません。そうしないと、いつまでたっても経営者やマネージャーがプレイング業務から離れられなくなってしまうからです。
言葉でいうのは簡単ですが、実際にどうすればよいのでしょう?
OGSのコンサルティングで伝えているのは、
「ゴールを明確にすること」
「ルールや枠組みを明確にすること」
この2つです。
まず、ゴールを明確にします。
最終的なゴールだけでなく、その手前のゴールも小さく設定していき、ゴールまでの道のりを細分化し、明確にするのです。
次に、ルールや枠組み・決めごとを明確にします。
枠組みとルールを明確にしていれば、徐々に部下やメンバーに任せられるようになっていきます。
経営者やマネージャーは、日々のマネジメントを行っていく中で、これらが実践できているかどうか自問自答してみてください。
・部下やメンバーに仕事を任せられているだろうか?
・仕事内容のゴールは明確だろうか?
・仕事を行う上でのルールや枠組みは明確だろうか?
経験が人を育てます! さらにいうと、「決断経験」が人を育てます。
おわりに
決断をするためには、その権限があるということ、決断に対する責任があるということが必要です。ポジションに対しての責任があいまいで、役割が不明確になっていませんか?
役割や責任があいまいだと、決断ができず、決断経験ももちろんできません。役割や責任があいまいで決断ができないということは、上司がその決断経験を巻き取ってしまい、結果的に本人の成長機会がない、ということが起こります。
役割や責任を明確にして、決断する場面を与え、経験値を増やし、任せていく…。そうしてどんどん成長していく環境を作っていきましょう。
今回は、部下育成、人材育成についてお伝えしました。
日々の経営やマネジメントについて見つめなおし、良い変化のきっかけになればと思います。
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