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ひとりでさみしい。家族のような関係がほしい(2)【ぷろおご伊予柑の大預言】


対談:ぷろおご伊予柑の大預言をアーカイブしています。
収録は2024年4月です。



ぷろおご 伊予柑


◾️前回記事はこちら




なぜ、一度も雇用されたことのないぷろおごが就職を勧めるのか


伊予柑:どうやったら友達ってできるんですか?

ぷろおご:学生時代みたいに自然と友達ができるなんていうのはファンタジーですよね。100回飲み会に行くか、就職するしかないですよ


伊予柑:会社じゃ友達はできないですよ!



ぷろおご:顔を合わせていけば印象が変わるという体験が必要だとおもうんですよね。いま、それがないんです。いまよりちょっと前、デジタルがなかった時代はアナログで、人とちゃんと顔を合わさなきゃいけなかった。

いつも行ってるパン屋さんとかとも、べつに最初はただたんに、商取引の関係だったのが、なんかある時から気になってきたりとかして。で、たとえば男と女がくっついたりもするわけじゃないですか。それって不思議なんだけど、みんながその時代では共通理解でよくある話だった。でもいまってないんですよ、ないよね?

パン屋に行ったら彼女ができるみたいなことを考える。それこそパン屋の店員さんと後日飲みに行くとかもほとんどないわけですよね。でもそれって「かつてはあったもの」じゃないですか。実際あるんですよ


伊予柑:それこそファンタジーなのでは?



ぷろおご:ちゃんと顔を合わせて通う。パン屋さんじゃなくてもいいんですけど、なにかしらでずっと顔を合わせてコミュニケーションし続けたら、関係性が変異する


伊予柑:まあね、バーでよくいる人とか


飲み会に行き続けるには神話が必要だ


ぷろおご:我々の世代はそういう経験がなくて、そういうことが起こるっていうのが信じられない。だからそういう意味で、就職するのがいちばんいいとおもうんですよ。なんかわかんないけど上司に急にムカついたりしてさ。そうおもったらプロジェクトでけっこう頼もしくて、かっこよく見えてきたりだとか


伊予柑:「とにかく、接触時間を長くしろ」ですね

ぷろおご:そうですね。よくわからないけど強制力のある仕事とか趣味とかで、何十時間何百時間とひたすら顔を合わせてたら印象がどんどん変わっていったっていうような経験をして納得しないと、100回飲みに行けないんですよ


伊予柑:長くない?


ぷろおご:100回ってのはたとえばですけど。でも少なくとも5回は飲みに行かないとぜったいわからない。みんな2回ぐらい飲みに行ってやめちゃうじゃないですか。2回ででてくるわけないでしょっておもう



伊予柑:それまでずっとひとりでさみしいんだよ。部屋でお膝抱えて・・

ぷろおご:それで変なところに力を分散するから、さみしさが埋まらないわけじゃないですか


伊予柑:ガルーズバーなら話を聞いてもらえる

ぷろおご:それっぽいものでインスタントに満たそう!ってほうにいっちゃうよりは、おなじ相手とふつうに、いろんなシーンをちゃんと共有しなくちゃいけない


伊予柑:むず。「友達がほしい」も難しいし、「さみしい。家族のような関係がほしい」もファンタジー


ぷろおご:これは変な話、最終議論じゃん。これが解決したら国をつくれるわけよ

伊予柑:「ひとりでさみしい」を解決すればね

ちなみにですね、これまでこの対談シリーズはスペシャルゲストがちいかわとハチワレだったんですけど、ご時世が変化しまして、ちょうてんちゃんというネット配信者をやってるキャラクターと、デンジくんっていうチェンソーマンのキャラクターに変わりました





伊予柑:つまり、ふたりともひとりでさみしい。家族のような関係性がほしい人たちです。「わァ…アァ…ァ…」っていう時代からさらに殺伐としまして、「顔でオタクを釣って稼ぐぞ!」みたいな女子と「おれなんもわかんねえ」って言って壊すしかできない男子に


ぷろおご:本質だ

伊予柑:本質になってしまいました

ぷろおご:そんなグロテスクな・・・



伊予柑:今日はいただいた悩みが解決しなかったなと思いながら、これを聞いている図書館員の人に質問をいただこうと思います


さみしそうに見える人の特徴について



Aさん:さみしさに気づくには、まずどうしたらいいですか?

伊予柑:とくに男子はさみしさに気づきにくいんですよ、強がっちゃって。女子はけっこう、気軽にさみしいって言うんですけどね。さみしさに気づくにはどうしたらいいですか?


ぷろおご:どうしたらいいか・・
さみしさに気づいてない人ってどういう人?


伊予柑:あなたのところに奢りにきて、最終的に「あなたはさみしいんですね」って言われてハッとする人のことです


ぷろおご:頭だってことかな?体がさみしさに気づかないことはないじゃないですか。さみしさって寒さとかとおなじなんで


伊予柑:小学生男子は寒さに気づかないですよね。一年中半ズホン

ぷろおご:そういうこと?


伊予柑:忙しいと気づかなかったりする。感覚を切っちゃうので


ぷろおご:なにかおかしいとおもったら、だいたいさみしいだけですけどね


伊予柑:たしかに


ぷろおご:「最近、なんかおかしい…」とか、「理由がわからないけどなんかひたすらやっちゃう」とかっていうのはだいたいさみしい

伊予柑:ツイッターを1時間以上無限に見てるときとかは、だいたいさみしいときですね


ぷろおご:そうそう。うまく説明できないけどこれをやってしまう、みたいなときはだいたいさみしいから、そのことに納得できるかですよね


伊予柑:なにかやっちゃってるときはだいたいさみしい


ぷろおご:だいたいさみしいと我々はおもっているが、それは文脈的な話じゃないですか。かなり踏み込んだあとの話だから、それに気づくとなるとすごく大変ですよね。だいたいの変な行動はさみしさから生じてるってことを理解しないといけない



伊予柑:だいぶ難しい

ぷろおご:仮説としてというか、おれはぜんぶ、だいたいさみしいからだとおもってるから、そういう公式に当てはめてしまうのがいちばんラクっちゃラクですけどね



運をよくしたければ、人に会いなさい


Bさん:さっきパン屋の店員と飲みに行くことはないって言ってましたけど、また「あたりまえ」になる時代にうつることはありますか?

伊予柑:パン屋の店員と飲みに行くのがあたりまえになる時代はくるか、

ぷろおご:あたりまえっていうのはどれぐらいなんだろう?

伊予柑:身のまわりで聞いたことがあるぐらい


ぷろおご:時代のことはわかんないな



伊予柑:僕は前に四谷に住んでいたことがあって、今は池袋に引越してきたんですけど、四ツ谷は近所の人のコミュニケーションがまじでなかった。でも、池袋にきたら挨拶するようになったので意外に地域差あると思いますね



ぷろおご:そうですね。人間の動きってけっこう街に依存するんでね。だからそれこそヨーロッパに行ったらヨーロッパの動きをするし、国籍とかパーソナリティーじゃなくて土地の文化というか、そういうものに操作されて動いてるから、

そういう文化があるところに行ったら、その人はその土地に応じたふるまいをしますね。時代っていわれると、どこをどう区切って、どこの国でとかになっちゃうからむずかしい




伊予柑:狭い村社会だと、パン屋と飲みにくことは増えると思いますね。旅行で島に行って現地の料理屋さんで飲んでいたりすると、全員知り合いで次々になにかがつながっていくみたいなことはわりとあるんですけど


ぷろおご:今も言ってしまえばそういうコミュニケーションがあたりまえのコミュニティはありますよね。東京であっても。とはいえ、そこにそういう能力がない人がアクセスできるかというと、できないですよね


伊予柑:難しいですね



ぷろおご:嫌がられるんで。セクハラおじさんみたいな人がきたら、話変わってくるじゃん。オープンなパン屋さんの女の子も、イケてるお兄ちゃんだったらいいけど、「おじさんはちょっと・・・」みたいになっちゃう。

だから時代というよりは、たんにずっとかぎられた人たちが、かぎられたなかでやっているが今はそれがより縮小したっていうイメージ。

そして見えなくなっている。そういうコミュニケーションがあるんだって言われても、ぜんぜん納得できないくらい



伊予柑:やるとしたら、そこにあるのかもしれないと思いながら通って挨拶をするんでしょうね


ぷろおご:これがむずかしいところなんですけど、あるとおもって行ってると起こらない


伊予柑:そんなに難しいの?



ぷろおご:そうですよ。ここに通ってたら、このお姉ちゃんと仲良くなるかもっておもって通うと、だいたい仲良くなれない。アナログというかちゃんと人間と対面でいろんな関わり方をしていけば、どっかで勝手に運がよくなるというか、エンカウント率があがるんですよね


第一印象はだいたいハズレ?!仲良くなりたい人と仲良くなれないジレンマの原因とは


伊予柑:デンジくんはそんな難しいことわかんねえって言ってました

ぷろおご:いろんなところに顔を出さないといけない気がする。ねらいうちはできないですね。学校もそうじゃん。最初は「わたしたちいつメンだよね」って言って、1年生のときに3人集まった女の子たちは、卒業するとき、だいたい仲悪いじゃん


伊予柑:女の子は不思議な生き物ですから



ぷろおご:男もいうて一緒にいなかったりするじゃん。「こいつ、気が合うな」って初手でおもった人ってだいたいまちがってて、その後、思いもよらないやつとなんかちょっとしたきっかけで仲良くなって、なんならもう25歳になってもつるんでるみたいなのってあるじゃないですか


Cくん「なんでオレらって仲良くなったんだっけ。」

Dくん「あー、なんだったけな」

Cくん「あれじゃん?2年のときの文化祭でさ…」

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ぷろおご:強制力が必要なんですよ。学校っていろんな日があるじゃないですか。授業があれば休み時間もあって、文化祭も、部活もあるし、揉め事だってある。いろんな日々があるけど、とにかくずっと学校に行かされる。

「気がついたら思いもよらないやつと仲良くなってた」っていう経験は、強制力がはたらいているなかで、人とちゃんといろんな関わり方をしてたから、ポンッて一個ポップしたっていう話で、こういうものを持たないとたぶん、構造的に友達はできない


伊予柑:じゃあ帰宅部で委員会も入らないで、帰宅即スマホゲームはダメなんだ

ぷろおご:そうするとたんに運が悪くなるので

伊予柑:部活とか委員会に参加すると出会いの機会が増えますね


ぷろおご:そういう意味で就職ぐらいなんじゃないかな。いろいろやらされる、行かされる、関わりを持たせられる。で、その圧によって能力を磨いて、べつのところに行くためのなにかをするとか。そういう構造があるところにいないと、たぶん友達もできないし、さみしさにもちゃんと栄養を与えられないっていうか


伊予柑:まとめると、大学生はとにかくサークルに行こう、ゼミに行こう、そして就職しようですね


ぷろおご:いろんな種類の関わり方をしないと満たされないのかな


(ひとりでさみしい/家族のような関係がほしい 完)


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