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すごく簡単に「UXデザインってな〜に?」を解説してみる〜誰にでも役立つ考え方のメソッド〜
今回の記事では、できるだけ難しい用語は使わないで、誰にでもわかるように「UX(ユーザーエクスペリエンス)デザインってな〜に?」という疑問をわかりやすく解説してみようと思います。
「UXってものづくりの人たちだけの話?」と思われがちですが、分解して考えていくと「誰にでも役立つメソッドだったりするんじゃないかなぁ」と感じたりしています。
まずはUXというものの概念について、ちょっとだけおさらい。
UX(ユーザーエクスペリエンス)とは、製品やサービスを利用を通じて得られる体験(experience)の総称である。
使いやすさ」や「使い勝手」などの要素に加えて、使い心地・感動・印象なども重視される。
ーーIT用語辞典より引用
つまり、UXデザインとは、“ユーザーの体験”を良いものにするためにデザインする作業ということになります。
ふむふむ。
「相手の体験をよくしてあげる=UX」
そうなると、これはやはりどんな人にも活かせるメソッドのような気がしてきますね!
誰かのために、なにかをしてあげる。それこそがUXデザイン
UXデザインについて調べてみても、難しい学術的な言葉がたくさん並んでいて、初心者にはとっつきにくいイメージがないですか?
例えば……
実際のサービスでUXデザインをするときには「HCDサイクル」という改善サイクルを使ったりします。これがちょっと難しい。
でも、それもわかりやすく言い換えるとこんな感じになります。
「誰かのために、何かをしてあげる」
……そういうときに、上記のような手順で相手を喜ばせてた経験ってありませんか?
サービスの場合、この「誰か」という部分がユーザーになるので、たくさんの人に調査を行ないますが、最終的には誰かのために良い体験を作ってあげるというところは同じなのかなぁ、と思っています。
(違うところがあるとすると「対価・競合相手・組織」の存在かもしれません)。
彼女の誕生日パーティーを設計する。
実例がないとちょっとわかりにくそうなので、具体例をだしてで考えてみようと思います。
今回は「彼女の誕生日パーティーの設計」で見ていこうと思います。
1、要求事項を確認する
誕生日パーティーを設計する時、デートのとき、彼女にさりげなく質問をしたり、行動を観察していることってないですか?
例えばこんな情報を収集したとします。
実際の場面でも、こんなかんじで行動を観察したり質問してみたりすることで、相手の情報をたくさん集めていますよね!
UXでもそのような調査をしていて、それぞれの手法には名前がついています。
実際のユーザーに対し…
生活圏に入って行動観察する「エスノグラフィ」
1on1で質問していく「デプスインタビュー」
行動観察しながら質問する「コンテクスチュアル・インクワイアリー」
こういうような手法&技術をつかいながら調査によって相手のニーズを探っていくわけになります。
2、収集したニーズをモデリングする
いろいろと工夫を凝らしてあつめた情報から「彼女が価値を感じてそうだと思うもの」を探し出していきます。
例えばこんな風に分析したとします。
実際の場面でも、こんなかんじで観察から得た情報から「相手の要求はなんなんだろうなぁ?」と難しく考えないで、落とし込んでいきますよね。
UXでは複数のユーザーから出てきた出来事をまとめ上げて分析するので、こんな手法を使っていたりします。
ユーザーが求めるニーズをフレームワークで導き出す「KA法」
行動に対する感情・思考をまとめた「カスタマージャーニーマップ」
ユーザーを1人の人物像としてモデリングする「ペルソナ」
まだまだありますが、有名なものはこのような手法かなぁと思います。
複数の声を練り上げてひとつにしていく作業が難しかったら、まず1人のユーザーの体験をまとめていく過程でみえてくるものもあるかもしれません。
最近はそれをセグメントにわけて「N=1」という形で分析している本もあったりします。
興味がある方はこちらから。
3、設計してみる
次は設計です。
まとめた要求から、相手が喜ぶような体験の設計をしていきます。
こんな感じ。
自分の要望をあつめて工夫してもらってたら嬉しいですよね!
UXでは多くの人が関わり大きな予算もかけて制作するため、こんな手法を使ったりしています。
素早く作って問題点を発見する「ペーパープロトタイピング」
システムを人力で代替えしてテストする「オズの魔法使い」
Web業界ではXDやFigmaなど、便利なサービスが次々に出てきているので、紙面ではなくデジタルで簡単にプロトタイピングできるようになってきていたりもします。
3、評価してもらう
最後に評価です。
誕生日パーティーの評価を思いきって彼女に聞いてみます。
画材は決まったメーカーのものしか使わない、という部分を見逃していたようです。
このようにUXは「1回やっただけで全てのユーザーの要求を満たせる!」というものではなく、ユーザーに話を聞いて→要求をまとめ→設計し→評価してもらう……というように、ぐるぐるとサイクルを回す過程でどんどんサービスがよくなっていくといったものになります。
評価の手法についても最後にいくつか。
専門家による評価をうける「ヒューリスティック評価」
ユーザーによる評価をうける「ユーザビリティテスト」
「HCDがなぜ、どのように企業に利益をもたらすのか?」といったことは、人間中心設計の基礎のP.95あたりにデータが掲載されているので、導入にむけてよりビジネス的な説得力を持たせるかたは、こちらも参考になるかもしれません。
「自分らしさ」を忘れてはいけない。
最後に、UXといってもなんでもかんでも相手の要求を飲んでいるのが正解ではない、という話です。
例えば……
・付き合っている彼女が車が好きだからって「借金して車を買うんだ!」
・料理をまったくつくったことがないけど「パーティーレシピを作ろう!」
「相手の要求を全部飲んだらよくなるのか?」・・・どうでしょう。
料理はうまくなくても、別な自分の特技があるならそれで喜ばせてあげるほうがいいような感じもしますよね?
プレゼントで、借金してまでなにかをするのは、ちょっとキャパオーバーな感じもしますよね?
こうやって分解して行くと、UXの先生が言っていることの意味がわかってくるので面白いです。
「ユーザーの声ばっかり聞いてて、企業のケーパビリティ(企業が持つor得意な組織的能力)を無視して計画するのは違うよ」
最後に
いかがでしたでしょうか?
こうやって書いてみたら、自分でもなんだか「UXってなんだか身近な存在じゃ〜ん」と思えて面白かったです。
これを読んでいただいた方にも、UXがなんだか身近な存在に感じられて「これならちょっと自分のなかにも取り入れられそうだぞ〜っ!」といった発見になったら嬉しいです!ではっ!
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