見出し画像

[前編]大河小学校「おがわ学」ー自分たちの育てた大豆で味噌を仕込む。そして次の世代へ種を繋ぐ

2023年2月、大河小学校で行われたおがわ学についてのレポートです。

小川町の小中高校には「おがわ学」と呼ばれる、自分たちの暮らす地域のことを学ぶ授業科目があります。

小川町立小・中学校及び埼玉県立小川高等学校の児童生徒が、小川町の地域資源を題材として、地域の歴史や文化、産業等について知り、段階的に学びを深めていきながら、地域活動への参画などを行っていくものです。「おがわ学」を通し、子供たちの小川町へ対する愛着や誇り、地域課題の解決に取り組む能力を育むことを目的とするとともに、「おがわ学」に関わる大人自身の学びにも繋げていくことを目指しています。

https://sites.google.com/center.spec.ed.jp/ogawagaku

今回はその取組の中の1つである、大河小学校で行われた味噌づくりの授業に参加させていただきました。

ゲスト講師は横田農場の横田岳さん。自身も大河小学校の出身です。

横田さんは以前から、おがわ学のゲストティーチャーとして積極的に母校の子どもたちに関わり、小川町に伝わる青山在来の大豆を植える授業を行っていました。ただ活動の中で、「大豆を植えて終わりはずっともったいない」
「自分が子どものときに受けたかった授業をしたい!」という思いがあったとのこと。

おがわ学のコーディネーターの方や、学校の先生方との話し合いを重ね、今年からは植えるだけではなく、より複合的に繋がりを持ったおがわ学が実現されることになりました。

横田さんの投稿から、おがわ学への思いを引用します。

去年7月の大豆まきから始まり、12月の収穫、選別、そして味噌作り。3年生の子供達、そして先生たち、おがわ学の担当者と一緒になってあれこれ考えながら進めた1年間でした。それがひとまず味噌というカタチに。

今年収穫した大豆は、来年の3年生のための種も選んでもらいました。どんな種を残したいのか考え、それを次の3年生に繋げる。そうして毎年、ずっと続けられたらいいなと。

味噌がなぜ地域にあるのか、在来の豆や麹がどこから来て、なぜ麹が麦だったのか。それだけで歴史と地理の授業になります。

お味噌の中で菌がどんな働きをして、麹はどんな姿をしているのかを顕微鏡で覗き、大豆の種子の構造を知る。これは理科。

お味噌を作るために、大豆はどのくらいか、2キロ計りでどうやって計るか、ボウルの重さは?、それを7班でどうやって分けよう?麹や塩の割合はいくらか。それを計算で解けば、算数になる。

前日に豆を水に浸し、翌日に煮て、臼と杵が餅つき以外で使われるのを知り、後片付けをする。そしてお味噌が大豆と麹と混ぜただけでは食べられないことに驚く。これは家庭科。

そんなつもりでワイワイ味噌造りをしました。

これから4年生になり、10月まで食えない味噌を眺めることになるのですが、その過程を観察するのも面白そうです。カビが生えた味噌を見てギョッとするかも知れない。変化する色と香りにワクワクするかも知れない。

新3年生に種を贈ることも忘れないで欲しい。

そしていよいよ5年生の家庭科でお味噌汁の単元を迎えます。足掛け3年。そのうちに学校の文化として根付くといいなと思ってます。

横田農場Instagram

後編では当日の味噌造りの様子をレポートします!

いいなと思ったら応援しよう!