書籍「高校チュータイ外交官のイチからわかる!国際情勢」読了
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◎タイトル:高校チュータイ外交官のイチからわかる!国際情勢
◎著者:島根玲子
◎出版社:扶桑社
旅で価値観の異なる人達と出会うことが、人生でどれだけ重要なことか。小さくまとまっている場合ではない。
今のこの日本の状況で、大人が若者たちに「大きなチャレンジをしろ」と言っても、説得力がないだろう。
若者から逆に言われてしまう。「あんたは何のチャレンジをしてきたんだ?」と。
果たして我々世代は、本当に若い時分に大きなチャレンジをしてきたのだろうか?
時代が良かったから自分ではチャレンジしたと思っているだけで、本当に自らの意志で飛び込んだチャレンジだったのだろうか?
若者の問いに答えられない自分がいる。
そんな時に本書と出会ったのであるが、こんな素晴らしい方がいるのかと感動したと同時に、「やっぱり自分は自慢できるほどのチャレンジはしていなかった」と再認識してしまった。
著者の経歴を見ると、とても普通とは言えない。
高校を2度留年し、2度中退している。大検合格後に青学に合格。青学を卒業後、早大法科大学院。その後、司法試験に合格。その後、外務省に入省。
この経歴を見ても凄まじい。
高校時代の挫折の後に、恐らく血の滲むような努力をしたのだろうと想像できる。
ついつい比較をしてしまうのだが、自分自身の努力の足りなさを改めて感じてしまう。
年齢を重ねた自分が、これから全速力で努力することは難しいかもしれない。
それでも自分なりにもう少し粘ってみてもよいのではないかと、元気をもらった感じだ。
本書では所謂「国際問題」を分かりやすく解説してくれている。
頭でっかちに勉強しても、広く世界を見なければあまり意味がないかもしれない。
ひたすら籠って勉強していい大学に合格しても、その後にも籠り続けていたら、結局その獲得した知識の使い道がない。
一方で、闇雲に世界を見るだけでも人生にとっては意味があるが、そこで更に知識を持っているかどうかで、同じ経験でもより大きな意味を持つことになると思うのだ。
やはり旅をして世界を見ることは重要だ。
そして、とにかくがむしゃらに勉強して、知識を得ることもものすごく重要だ。
人生とは案外短い。これだけ長寿化が進み、人生100年時代と言われても、それでも人生は短いのだと思う。
だったら遊んでいる暇はないのではないだろうか。
彼女は高校時代に一生分を遊び尽くし、そこから持っている時間の全てを勉強に全振りした。
そういう人生も確かに面白い。
一方で、所謂普通の人生だって捨てたもんじゃない。
ほんのちょっと意識を変えればいい。
いつまでも学び続けること。
世界を広く捉え続けること。
自分の利益よりも、社会の利益を考えてみること。
少しずつ何かが見えてくるのではないかと思うのだ。
すでに年齢を重ねてしまった自分だが、諦める必要はない。
ほんの少し、小さな小さな一歩でもいい。
前進し続けることが本当に大切なのだと思う。
(2023/5/12)