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2030年までに「私有財産の廃止とプライバシーの根絶」の「予測」という計画
世界の頭脳が一堂に会する2021年の #ダボス会議 (「 #世界経済フォーラム 」の年次総会)で重要視されていたのが
資本主義の『 #グレート・リセット 』です。
具体的には、「 #ステークホルダー資本主義 」(従業員、取引先、顧客、地域社会といったあらゆるステークホルダーの利益に配慮して経営)を推し進めるべきという考えを示しています。これは現在の「 #株主資本主義 」(企業は株主の利益を第一に考えて経営)といういまの考え方ををあらためるということです。
より良い成果をもたらすには、教育から社会契約や仕事に至るまで、私たちの社会と経済のあらゆる側面を刷新するために、世界は共同で迅速に行動しなければなりません。米国から中国までのすべての国が参加し、石油やガス、ハイテク産業まで、すべての産業を変革する必要があります。私たちに今必要なのは、資本主義の「グレート・リセット」なのです。
世界経済フォーラム(WEF)は 50年前に設立されました。未来的な思考と未来的計画の主要なプラットフォームの 1つになりました。
フォーラムの主な目的はグローバル・コントロール(世界規模での統制)としています。自由主義と個人の自由意志による選択を最高の価値観とはせず、国家介入主義と集団主義を述べています。
ダボス会議は、毎年スイスのダボスで行われる世界経済フォーラムの年次総会のことで、世界中のトップリーダーが一堂に会して、世界が直面する重大な問題について議論する場になっています。
約3千人の選ばれた知識人やジャーナリスト、多国籍企業の経営者、各国の政治家などが参加するもので、2020年はアメリカのトランプ前大統領も参加しています。
2021年はコロナの影響でスイスでの開催を断念し、シンガポールで5月に開催を予定していましたが、これもコロナの影響で8月に延期となり、最終的には先日中止が発表されました。
ダボス会議は世界情勢の改善に取り組む国際機関で、世界をよりよい方向に導く会議です。そして、この会議には世界中のトップマネジメントが集まって世界が進むべき道について話し合うので、この会議で決定した方針がそのまま現実社会や経済に反映されやすくなると言えます。
そのため、毎年世界中がこのダボス会議に注目しています。
ちなみにグレート・リセットを提言したのは、#クラウス・シュワブ 会長です。
2020年年10月に出版した『グレート・リセット』という本の中で、今回のコロナを契機に社会は変わらなければならないとして、社会秩序を再構築することをグレート・リセットと定義しました。
2030年の8つの予測
2016年11月に WEF (世界経済フォーラム)は「2030年の世界の 8つの予測」を発表しています。
1. 人々は何も所有しない。物品は無料か国から貸与する
2. アメリカはもはや主要な超大国ではなく、少数の国が支配する
3. 臓器は移植されずに印刷する
4. 肉の消費は最小限にまで抑制する
5. 人々の大規模な移動により、数十億人の難民が発生する
6. 二酸化炭素排出量削減のため、価格を世界的に法外なレベルに設定する
7. 人類は火星に行き、エイリアンの生命を見つける旅を始める準備する
8. 西側世界の価値は限界点までテストされる
その時に、その先に起きこりうる未来が予測されました。
世界経済フォーラムの「GlobalFutureCouncils (世界的未来会議)」の予測によると、私有財産とプライバシーは今後 10年間で廃止されるとしています。
「私は何も所有していません。私は車を所有していません。私は家を持っていません。私は電化製品も衣服も所有していません」
#カール・マルクス が資本論で示す #共産主義 ( #コミュニズム )は、私有財産は廃止しますが私物の所有は認めています。しかし、世界経済フォーラムの予測は、それよりさらに進むとみています。予測によれば、消費財(いわゆるいろいろな物)も、もはや所有ではなくなるというのです。
世界経済フォーラムの予測では、人々は必要なものを国から借りるようになるとしています。国はすべての商品の事業主となり、商品の供給は、 #社会信用ポイントシステム に沿って配分されることになるとしています。
イメージとしてはアリババの #芝麻信用 のような #信用スコア が一般化すると受けとめています。事実、日本でも #Jスコア や #LINEスコア も利用されはじめています。#岡田斗司夫 さんが著している #評価経済社会 があたりまえの社会になるとうけとめています。
伝統的な意味での「買い物」つまり個人的な商品の購入という概念は消えてしまうとしています。
望月智之さんの著書をイメージしてしまいます。
このように2016年当時の世界経済フォーラムのシナリオでは、人々の働き方や生活の仕方が大きく変化するために、世界は今とはまったく異なる世界になるとしています。
2030年のシナリオは予測という計画
2030年の世界のシナリオは、単なる予測ではありません。これは、パンデミックの発表とそれに伴うロックダウン以降、劇的に加速していく計画です。
2011年から 2014年まで自国の環境大臣を務め、現在も議会のメンバーであるデンマークのエコ活動家イダ・オーケン ( #Ida_Auken )は、プライバシーのない世界のシナリオを詳しく説明しています。
世界経済フォーラムの「 Welcometo2030 (2030年へようこそ)」では、「 2030年の私は何も所有しておらず、プライバシーもありません。そして人生はかつてないほど良くなっています」という世界を思い描いています。
2030年までに、かつて製品であったものがすべてサービスになっているため、オーケンのシナリオでは、買い物や所有は時代遅れになっているとしています。
オーケンのこの牧歌的な新しい世界では、人々は交通機関、宿泊施設、食べ物、そして「私たちが日常生活で必要とするすべてのもの」に無料でアクセスできるとしています。
これらは無料になるので、「私たちが(私有財産などを)多く所有することは意味がないことになる」とし、「私たちが必要としないときはいつでも誰かが私たちの空きスペースを使用しているので」家に個人所有権はなく、誰も家賃を払うこともないといいます。
たとえば、居住空間は、不在の場合のビジネス会議に使用されます。
「生活習慣病、気候変動、難民危機、環境悪化、混雑した都市、水質汚染、大気汚染、社会不安、失業などの懸念は過去のものです」とオーケンは述べています。
そして、人々は「私たちがそれまで進んでいた道よりもはるかに良い人生」を楽しんで喜んでくれるだろうと予測しています。
2020年の新興テクノロジートップ10
世界経済フォーラムが報告した「2020年の新興テクノロジートップ10」にある #空間コンピューティング というテクノロジーが興味深いです。
「人と人がまったく接触しない世界になっても社会が動く」
そのような未来を目指しているようです。
これは、人と人の直接的なコミュニケーションが「分断」されることを理想としているようにみえます
世界経済フォーラムによる2020年の新興テクノロジートップ10
1. 痛みのない注射と検査を可能にするマイクロニードル
2. 太陽エネルギーを利用した化学
3. バーチャルペイシェント (シミュレーション上の患者)
4. 空間コンピューティング
5. デジタル医療
6. 電動航空機
7. 低炭素セメント
8. 量子センシング(人間の脳の動きを含めて多くをモニタリングできる感知技術)
9. グリーン水素
10. 全ゲノム合成
世界経済フォーラムの最大の目標は、私有財産の廃止と共に、「プライバシーの廃止」があるする記事もあります。
考えてみれば、先ほどの「2020年の新興テクノロジー」の技術の多くは、そのために使うことができるものでもあります。
国家が唯一のすべての所有者とみる懸念
このような世界経済フォーラムの動きに懸念を持っている人たちも数多くいます。オーストリアの政治経済分析組織である「ミーゼス研究所」の記事をご紹介します。
世界経済フォーラムとその関連機関は、少数の政府や少数のハイテク企業と協力し、財産やプライバシーのない新しい時代に、この世界を導きたいと考えている。
個人主義、自由、幸福追求などの価値観が危機に瀕しています。集団主義と、自称テクノクラートのエリートたちによって定義される「共通善」は否認されるべきである。
平等と生態系の持続可能性の約束として一般に喧伝されているのは、実際には人間の尊厳と自由に対する残忍な攻撃でしかない。グレートリセットは、新しいテクノロジーを改善の手段として使用するのではなく、技術的な可能性を奴隷化のツールとして使用しようとしている。
この新しい世界秩序では、国家が唯一のすべての所有者だ。
このオーストリアの政治経済分析組織である「ミーゼス研究所」の見解はいかにも世界経済フォーラムが社会主義を目指すような論調ですが、世界経済フォーラムが推しているのはステークホルダー資本主義です。資本主義システムまでを壊さずにあらゆる関係者の利益に配慮する方向転換です。
ステークホルダー資本主義とその未来
従業員、取引先、顧客、地域社会といったあらゆる #ステークホルダー の利益に配慮する「 #ステークホルダー資本主義 」とは具体的にどのように推し進めるのでしょうか。
2020年10月発売の著書だと具体策はまだみえませんが、世界経済フォーラムでは財産の私有を否定する予測(計画)です。
あらゆるステークホルダー(利害関係人)の利益とは、どのような範囲で考えるのでしょう。見方によっては、全国民、全世界の利益まで配慮せよということと受け取れます。
これが生産手段・生産物などすべての財産を共有するようになると #共産主義 そのものになります。
共産主義では、すべての利益をみんなで共有するという考えであり、最終的には国が管理する制度自体もいらないこととしています。
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20世紀は、この共産主義を実現するための前段階として #社会主義 の実現に成功した国家がありました。
社会主義では、利益を得るための生産手段を国が管理し、国民の給料も国が管理して分配します。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/53683325/picture_pc_99125f3838c9acf71be01e8535a5339e.jpeg?width=1200)
しかし結果としてどの国もうまくいきませんでした。
ブロックチェーンを人類に応用
#ビットコイン は、管理者不在でプログラムのみで動いています。もし #ブロックチェーン の仕組みを人類に応用することができれば、私たち人類も国家など管理統制する機関を必要としない完全な共産主義も理論上、実現可能なのです。
ただその場合、いまのような年金や生活保護といった国による #救済措置 がなくなっていきます。
#自己責任 が重大となる未来。
私たちはどちらの未来が、幸せなのでしょうか。
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2021/6/4追記 加筆
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2021/6/5追記 加筆
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2021/11/14追記
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